NUBICは,本年も参加いたします。日本大学のシーズ発表と展示特許,および各種ご相談に応じます。

是非,お立ち寄りください。

 

開催日時 2015年10月8日(木)-9日(金)10:00-17:00
開催会場 大田区産業プラザPiO 地図
主催 大田区,(公財)大田区産業振興協会
共催

(地独)東京都立産業技術研究センター,アメリカ州政府協会(ASOA)
日刊工業新聞社

主催者Web 第5回おおた研究・開発フェア

 

発表シーズ
10月8日(木)
10:25-10:45

超音波照射による固液混合材料の異方構造の消去法

理工学部 教授 中原 明生

 粉体と液体を混ぜて作成した塑性ペーストに振動場や流れ場などの力学的外場を加えると,ペーストが外場の方向を異方的な内部構造を形成することで記憶し,その後乾燥させた際に発生する亀裂パターンの形状がペーストの記憶によって決まる(メモリー効果)ことを世界で初めて発見し,工学的応用としてメモリー効果を利用することで亀裂パターンの形状を自由自在に制御する方法を開拓してきた。
 本来,均一に混ぜて一様な状態で反応させることが理想的である固液混合材料が,実際には振動や流動化で力学的に混ぜようとすると必然的に分離,不均一化を起こすことが多いため,一様な状態を準備するのは難しかった。それ故固液混合材料をおおまかに力学的に混ぜた後で最後に我々が提案する超音波照射によって均一で一様な状態にできるのであればその応用範囲は極めて広く,その後の化学反応も一様に進行しやすくなるので,化学工学的な寄与も果てしなく大きい。
 建築現場ではコンクリートに振動をかけながら型に流し込む方法が一般的だが,コンクリート自体が固液混合材料なので,流し込むときの振動や流動で内部に異方的な構造ができやすく,材料としての破壊強度の意図しない低下や腐食しやすさに直結する。コンクリートの流し方の選択による意図的な強度の制御がメモリー効果によって可能であるとともに,固まる前に超音波照射で内部構造を均一化させる本手法は,完全な一様・均質化が求められるさらに多くの場合への対応を可能にし,あらゆる建築現場で活用されることとなろう。
 さらには昨今話題の3Dプリンターの成形物に対する構造の均一化にも応用が期待できる。3Dプリンターでは材料を射出して立体物を成形するのが一般的だが,射出の際には材料が特定の方向に大きく変形を受けるため,微細な構造として異方性を生じる。成型時の適当なタイミングで超音波を照射することにより,全体の構造は壊さずに微細な異方性だけを取り除いて均一な構造を実現し,強度や弾性などの物性を均質化出来ることが期待できる。

 

NUBICのブース
小間番号 07
材料技術

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