日本大学産官学連携知財センター(NUBIC)は,下記の「新技術説明会(横浜国立大学,東海大学,日本大学,横浜市立大学)」にて技術シーズの発表を行い,技術移転・共同研究のご相談を受け付けます。

 ぜひご来場ください。

 

開催日時 2012年10月30日(火) 10:00~16:10
開催場所 JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)MAP
主催 国立大学法人横浜国立大学,学校法人東海大学,学校法人日本大学,
公立大学法人横浜市立大学,独立行政法人科学技術振興機構
主催URL http://jstshingi.jp/ynu-tokai-ycu-nubic/2012/index.html

 

日本大学の発表

13:35~14:05

二菌種複合バイオフィルムを利用したエタノール発酵法

日本大学 生物資源科学部 食品生命学科 准教授 古川 壮一

【概要】

乳酸菌と酵母が形成する複合バイオフィルムを固定化菌体とするリアクターを用いて半連続および連続エタノール発酵を検討した結果,発酵菌体の保持能と雑菌の排除能に優れ,長期連続運転に適している可能性が示唆された。

【従来技術・競合技術との比較】

従来のエタノール連続発酵は酵母菌体の分離回収が必要で,雑菌汚染で不安定化。
本法は乳酸菌と共培養するだけで酵母を自動固定化でき,菌体の分離回収が不要。
共存乳酸菌の作用で雑菌排除可能で半連続・連続発酵に適する。

【新技術の特徴】

・酵母・乳酸菌共存⇒単独微生物ではできない有用物質の生産
・菌体自動固定化⇒発酵や水浄化などの連続微生物処理
・雑菌に強いシステム⇒無殺菌・低殺菌発酵,メンテナンスフリー生産

【想定される用途】

・バイオエタノールの連続発酵
・酒類等の連続発酵

・アルコール以外の有用物質の生産
4:05~14:35

成熟脂肪細胞を用いた新規の再生医療用ドナー細胞の開発

日本大学 生物資源科学部 動物資源科学科 准教授 加野 浩一郎

【概要】

成熟脂肪細胞を脱分化誘導することによって,多能性前駆細胞(DFAT)を取得した。
DFATは骨芽細胞,軟骨細胞,筋芽細胞,血管内皮細胞,上皮細胞及び神経系細胞など種々の細胞に分化転換することから,新規の再生医療用のドナー細胞として有望である。

【従来技術・競合技術との比較】

成熟脂肪細胞由来のDFATは,iPS細胞のように遺伝子操作やウィルスベクターなどを用いない簡便な方法で短期間かつ低コストで大量調製が可能である。また,DFATは成熟脂肪細胞から作出されるので純度が高く均一であり,安全性の評価がしやすい。

【新技術の特徴】

・1g以下の皮下脂肪組織から採取した脂肪細胞から簡便かつ大量に純度の高い均一な多能性細胞を取得できる
・低侵襲に細胞を調整できるので,新生子,高齢者および全身状態が不良な患者などからも細胞を調製できる
・脂肪細胞から95%以上の確率でDFATを樹立可能であり,かつ一般的な培地で継代維持できるので著しく低コストである

【想定される用途】

・細胞移植治療用の新規のドナー細胞
・ゲノム創薬およびオーダーメイド医療への応用

・難病患者由来の疾患モデル細胞の作成