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エネルギーの検索結果:29

パラメトリックX線放射による新X線源とその応用(10953)

目的

日本大学電子線利用研究施設(LEBRA: Laboratory for Electron Beam Research and
Application)では、従来の線源とは原理的に異なる新規X線源の開発とその有用性の実証研究
を行っている。これはパラメトリックX線放射(PXR: parametric X-ray radiation)と呼ばれる現象
を利用したもので、単色で連続エネルギー可変、コヒーレンスに優れたX線源であるためイメージ
ングに適しており、特定の元素の選択、或いは、軽元素からなる生体軟組織構造の非破壊検査、
または、血管造影、乳ガン検診といった医療診断などへの応用に期待できる。

技術概要

コンピュータ断層撮像(CT: computed tomography)
PXRの単色性と広い照射野を生かし、比較的大きな軽元素物質試料の非破壊測定が可能。
同時K端差分(KES: K-edge subtraction)法による元素イメージング
PXRの線形エネルギー分散(空間チャープ)を利用し、特定の元素のK殻吸収端エネルギー位置でビームを分割することにより吸収端前後の像を同時に取得することができ、両者の差分により、特定元素の分布が得られる。CTによる3次元元素分布の測定にも成功している。
位相コントラストイメージング(Phase-contrast imaging)
PXRビームは空間コヒーレンスに優れるため、これまで放射光でなければ困難であった位相コ
ントラスト法の1つである回折強調イメージング(DEI:diffraction-enhanced imaging)が可能になった。

用途

・マルチエージェントシステム構築のためのプラットホーム
・汎用(エージェント指向、オブジェクト指向、手続き型)並列計算環境
・ハイパフォーマンスコンピューティング

食品成分による免疫調節作用とその応用(研究紹介)

目的

腸管は、生命活動にとって重要なエネルギー源として摂取した食品成分を効率的に消化・吸収する組織であると同時に、人体で最大の免疫組織でもある。腸管粘膜には生体の7~8割以上のリンパ球が存在し、そこで生体にとって有用な食品成分や腸内共生細菌、または有害な病原細菌などを識別し、感染防御やアレルギー反応の制御などの免疫応答が行われている。本研究は、この腸管免疫系に注目した食品成分の免疫調節作用を効率的に評価し、抗感染・抗アレルギー食品の開発をめざした研究展開を試みている。

技術概要

 腸管免疫系では、腸管内に免疫グロブリンA(IgA)抗体が粘膜外分泌されることによって感染防御に重要な役割を果たしている。そこで、マウスを実験モデルにプロバイオティクス菌体成分・オリゴ糖・多糖体などを一定期間経口投与し、その後、腸管関連リンパ組織のパイエル板・腸間膜リンパ節細胞を採取して免疫グロブリンA(IgA)抗体やサイトカイン産生、および腸粘膜中に分泌された総IgA抗体などへの影響を検討した。さらに、マウスを拘束ストレスに負荷させることによって宿主の免疫応答を低下させたときに腸管免疫系応答に与える影響を、被検物質をマウスに経口投与させることによってその免疫調節作用を評価した。
 結果は以下の通りとなった。
1)プロバイオティクス菌体成分(Bifidobacterium由来菌体成分、BIM)をマウスに7日間経口投与すると、腸管免疫系の誘導部位であるパイエル板細胞においてIgA産生の誘導が活性化した。
2)フラクトオリゴ糖(FOS)をマウスに4週間経口投与すると、腸内細菌叢が変化して腸粘膜中に分泌される総IgA量が亢進した。
3)拘束ストレスによって腸管免疫系の応答を低下させる実験モデルにおいて、プロバイオティクス菌体成(Bifidobacterium由来菌体成分、BIM)をマウスに経口投与すると、腸粘膜中に分泌される総IgA量の低下を抑制した。
4)摂取したプロバイオティクス・プレバイオティクスが腸管免疫系を介して宿主の免疫反応を調節し、感染症やアレルギー症状の予防へとその応用が期待される。

用途

抗感染食品,抗アレルギー食品

エンバクを利用した脱プラ製品の開発(研究紹介)

目的

近年SDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みが重要視されてきている。環境問題ではプラスチック問題が大きく取り上げられ,プラスチック製品の代替品の開発が進められている。

技術概要

ムギ類の茎(ストロー)に注目し,様々な種類のムギ類を栽培し, ストローとして適した種類や品種を選抜した。結果,茎の太さ,本数,においなどから エンバク(燕麦(学名:Avena sativa),オーツ麦)が有力候補となった。
本製品は使用後回収し堆肥とすることが出来,堆肥化した製品をエンバク畑へ利用することで,エネルギーと物質の循環が行われる。

用途

食品,ストロー代替品,生分解性プラスチック

表層型メタンハイドレートの産状解明に向けたバイカル湖調査(研究紹介)

目的

近年,日本近海に賦存するメタンハイドレートの資源開発に向けた動きが活発化している。海底地盤深部にある砂層型メタンハイドレートについては,東部南海トラフをモデル海域として海洋産出試験が行なわれ,商業化の実現に向けた技術整備が進められている。当研究室では,多様なエネルギー供給源確保の観点から,日本海側の海底地盤表層に賦存する表層型メタンハイドレートに着目し,その産状の解明,回収技術の開発に取組んでいる。

技術概要

バイカル湖は淡水湖として唯一メタンハイドレートが確認されている湖で,湖底表層には日本海と同様に表層型メタンハイドレートが存在する。
 そこで,日本海の表層型メタンハイドレートのパイロット・スタディとして,その物性評価,分布状況把握のための調査をバイカル湖で実施した。
 新たに開発した大水深用コーン貫入試験(CPT)プローブを用いて湖底堆積土のコーン先端抵抗を測定し,採取コアデータと比較した結果,CPTにより表層型メタンハイドレート層の産状や堆積深度が評価可能である事を明らかにした。

用途

表層型メタンハイドレートの産状に適応した回収技術の開発,鉱物資源開発における資源ポテンシャルの評価

コーヒーに入れる砂糖の驚くべき効果-今までの砂糖の常識をくつがえす新感覚の糖質、パラチノースのさまざまな健康効果-(研究紹介)

技術概要

 ひと息つきたい時に飲むコーヒーに砂糖を入れる方は多いかと思います。従来、砂糖の摂り過ぎは、身体に良くないというイメージがありますが、実のところさまざまな健康効果が報告されている砂糖と同じ仲間がいます。それは長年、私が取り組んでいるパラチノースです。パラチノースはハチミツに微量に含まれている天然の糖質で、小腸内でゆっくりと吸収されるため、血糖値の急激な上昇を抑え、インスリンを節約することができるのです。また、日常使用している砂糖(スクロース)に比べ内臓脂肪が蓄積しづらく、肥満を改善する利点があるとも言われています。しかし、どうしてそのような現象が起こるのか解明されていませんでした。そこで、われわれは肥満ラットにパラチノース及びスクロースの溶液を経口投与し、エネルギー代謝の動きを観察しました。その結果、パラチノース投与後にエネルギー代謝の高値が持続することをつかみました。また、このパラチノースの代謝促進作用が肥満の改善につながることも明らかにしました。今後は、これらの知見を基に、肥満の方を対象にした臨床研究を実施していきたいと考えます。

ロバスト性の高い折り畳み式風車~RONDO~(11829)

目的

本研究は、翼を空気力学的に回転し得ない状態に折り畳み、強風時の安全性を著しく高め、時間遅れのない耐風圧機能を備えた風力発電装置を提供する。

技術概要

従来のプロペラ型のものは高速回転中に風が弱くなれば迎角が負になるためにブレーキがかかる。可変ピッチ機能を備えていても多くの場合応答特性が風の変動に間に合っていない。一方、垂直軸風車は起動特性が悪いために一旦停止すると発電状態になるまでに時間遅れが大きいという欠点がある。本研究は垂直軸風車の主回転翼の前に特殊なスラットを取付けることで起動特性を画期的に向上させたものである。更に突風時には風圧を避けるために複数の回転翼が同時に円周方向に傾く機能を備えている。従って外部からの強制的な制動を加えずに継続して発電することができ、風が弱くなれば自動的に復旧する。上記機能により広い範囲に変動する自然風の中で破損を防ぎ、安全に稼働できる。又、垂直軸風車の特性として揺れに強く重心が低いので設置場所は地上、洋上いずれにも可能である。

適用製品

地上及び洋上に設置可能な稼働率の高い実用的な風力発電装置

トリアシルグリセロールの結晶構造転移(10404)

目的

食用油脂を使用する際には最適な結晶構造にコントロールする必要が生じる。本研究は、高圧処理によって簡単にトリアシルグリセロールの結晶を不安定型から安定型へ短時間で転移させる方法を開発したものである。

技術概要

従来、これらの油脂を使用する場合に一定温度中で撹拌を行うか、最適な油脂構造をもつ油脂と混合するか、その他の方法が用いられてきた。本研究の食用油脂の結晶構造転移方法は、食用油脂に、その主成分であるトリアシルグリセロールの融点近くで高圧を加えて転移させるものである。従来の方法と比較して短時間、低エネルギー消費で生産性の向上が認められる。

適用製品

食用油脂、マーガリン、ショートニング、チョコレート

高効率太陽電池の作製(11770)

目的

太陽電池の太陽追尾装置の駆動ばねとして用いる。これによって太陽電池の発電効率を向上させることができる。特に、本装置では太陽光から得た電気を使用しない。

技術概要

太陽の向きに太陽電池を向けると、太陽団地の発電量は向上する。現状の追尾装置は、コンピュータ制御であったり、光センサを用いることにより電力の消費を伴っている点に問題があった。本太陽追尾装置では、太陽の熱のみを用いて追尾動作を行う。太陽パネルを回転軸を有する台に固定し、この固定した台の回転を形状記憶合金ばねを用いて行う点が本追尾装置の技術的核心部分である。この形状記憶合金は、らせん状に巻かれたコイルばねの中心に黒体を具備し、太陽光を吸収したこの黒体からの熱によって形状記憶ばねを収縮させる。したがって、太陽が当たらなくなると、この黒体は冷えて、柔らかくなる。この両者のつり合いによって太陽方向に太陽電池パネルを向けることができるようにしたものである。

適用製品

太陽追尾装置、形状記憶ばねを用いた製品