ホモセリン脱水素酵素を用いたホモシステインの定量法(11659)

技術分野
医療・福祉
所属
生産工学部 応用分子化学科
氏名
吉宗 一晃

目的

血液中ホモシステイン濃度は冠動脈疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧、高脂血症、腎不全、妊娠時の合併症、アルツハイマー病等で高値になることが知られている。しかしながら、従来のホモシステインの測定法のうち、HPLC法や酵素法では操作が煩雑になる、試薬が高価になる等の問題があった。本研究は、簡便な操作で正確にホモシステインを測定できる方法を提供することにある。

技術概要

本研究の試料中のホモシステイン濃度測定方法は、ホモシステイン含有試料中において、ホモセリンにアーキア由来ホモセリン脱水素酵素を作用させ、ホモセリン脱水素酵素活性を測定するものである。ホモシステインに対する活性を有しないことが知られている超好熱アーキア由来ホモセリン脱水素酵素を、ホモセリンとホモシステインの共存系に作用させたところ、全く意外なことに、ホモシステインにより当該酵素のアロステリック効果が生じ、当該酵素のホモセリンに対する脱水素活性がホモシステイン濃度依存的に向上し、その脱水素活性を直接測定すれば、試料中のホモシステイン濃度が正確に測定できることを見出し、本研究を完成した。本研究によれば、1種類の酵素を反応させるだけで試料中のホモシステイン濃度が簡便かつ正確に定量できる。また、反応系が単純なので、分光光度計を備えた自動分析装置により迅速に定量できる。

適用製品

血中ホモシステイン測定キット

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