抗血栓性チタンおよびチタン合金(11221)

技術分野
医療・福祉 / 材料
所属
歯学部 歯学科
氏名
米山 隆之

目的

ステント等の循環器系のインプラント材では(1)金属と血液の接触によって惹起される血栓形成は重篤な塞栓の原因となるため臨床的な予後を左右する大きな課題である。また、(2)Ti-Ni合金は超弾性や形状記憶性等の好ましい物理属性を持つ一方、Niのアレルギー惹起や発がん性等の指摘があり、臨床応用の際の検討課題となっている。

技術概要

チタンニッケル合金に水、グリセリン、乳酸からなる水溶液で電解処理を施すという簡便な処理で、上記(1)(2)の課題を解決するに到った。(1)本件処理を行った試料に血小板粘着試験を行ったところ、抗血栓性効果が確認された。またこの効果はチタンニッケル合金以外のTi、Ti-6Al-4V合金、Ti-6Al-7Ni合金でも同様に観察された(図1参照)。(2)本件処理を行うことによって、Niが表面から選択的に除去されるということも確認され、本件処理をTi-6Al-4V合金に施すとVが選択的に除去されることも実証されている。さらに本件処理により耐食性が向上することも確認されている。

適用製品

チタン及びチタン合金製の血管内インプラント材整形外科及び歯科用インプラント

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