これまで,超音波加工,及び超音波溶接・溶着に用いられる超音波振動は,単一方向の振動であった。単一方向の振動による加工では,加工時間,加工精度が問題となっていた。また,溶接・溶着の際には方向性が生じるため,加工試料の設置方向によって,加工結果が大きく異る問題点があった。これらの問題点を解決することにより,超音波加工,及び超音波溶接・溶着において作用効果の向上を目的としている。
超音波振動源は一般に振動形態によって共振周波数が異なる。そこで振動形態の異なる2つの共振点を持つ超音波振動源に対し,その2つの共振周波数を加算して印加し,単一方向の振動と,これとは異なる単一方向の振動を組み合わせることで面状振動を得ることができる。本研究では,この超音波振動体を用いることにより,異種金属の超音波溶接・溶着においては,単一方向の振動と比較して,短時間で高い強度を得ることができた。また,超音波加工においても,面状振動を用いることにより,加工時間の短縮,加工精度の向上が期待されている。
超音波加工機用振動源,超音波溶接・溶着機用振動源
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