RNAを標的とする核酸医薬で難治性疾患に挑む(研究紹介)

技術分野
医療・福祉
所属
生物資源科学部 獣医学科
氏名
越後谷 裕介

目的

 アンチセンス核酸(ASO)は、天然核酸(DNAやRNA)と修飾核酸から構成される短い一本鎖オリゴヌクレオチドです。ASOは従来の医薬品では標的にできなかった「RNA」と特異的に結合し治療効果を発揮することが実証されており、近年「核酸医薬」として様々な疾患に対して急速に臨床応用が進められています。

技術概要

 我々は難治性疾患の中でも遺伝性疾患である筋ジストロフィーに対するASOの研究開発に取り組んでおり、核酸医薬としての実用化を目指しています。また、ウイルス感染症に対しては、ASOが持つRNA「分解」と「機能阻害」の異なるメカニズムに着目して、抗ウイルス薬としてのASOの可能性を追究しています。最近では、本邦を含むアジア全域で大きな問題となっている日本脳炎ウイルスの増殖を効率的に抑制するRNA分解型ASOの有効性を明らかにし、ASOによるウイルスRNAの分解が高い抗ウイルス効果をもたらすことを実証しています。

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