ナノ粒子点眼とワクチンを用いた低侵襲糖尿病網膜症治療(12316)

技術分野
創薬
所属
医学部 医学科
氏名
長岡 泰司

目的

フィブラートを含むナノ粒子を含有する、網膜循環障害及び網膜神経血管連関障害の改善用点眼剤。

技術概要

フィブラートは、内服により、網膜血管新生抑制効果を有することが知られている。しかしながら、フィブラートは、スタチンとの併用による副作用(横紋筋融解等)が報告されており、実際の臨床では、眼疾患治療の目的で用いられていない。
眼疾患に対する薬剤の投与方法としては、内服投与よりも局所投与の方が、全身副作用が少ないため望ましい。しかしながら硝子体内腔投与は、硝子体出血及び水晶体損傷などが報告されており、さらには眼内炎などの重篤な眼合併症も報告されている。安全性の観点からは、点眼による投与が望ましいが、眼球後部に存在する網膜組織まで、通常用いられる点眼により有効濃度の薬剤を到達させることは困難である。
一方、網膜循環及び網膜神経連関における障害は、明かな網膜症所見が発見されるよりも早期に引き起こされ、網膜疾患の発症の一因であると考えられている。しかしながら、これらの障害の改善に有効な点眼剤は実用化されていない。網膜循環障害又は網膜神経連関障害を点眼により改善又は予防することができれば、これらの障害に起因する網膜疾患を、安全かつ有効に予防又は治療することができる。
本研究は、ナノ粒子化したフェノフィブラートが高濃度で網膜まで到達可能であること、点眼のみで糖尿病網膜症の早期病変を改善させること、糖尿病網膜症の予防および進展防止のための可能性に関するものである。ナノ粒子化したフェノフィブラートは網膜循環障害及び網膜神経血管連関障害を改善又は予防することが可能な点眼剤となる可能性がある。

用途

網膜循環障害及び網膜神経血管連関障害を改善又は予防のための点眼剤

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