生体・環境調和型オイルゲルの開発(11311)

技術分野
材料
所属
薬学部 薬学科
氏名
橋崎 要

目的

オイルをゲル化して固化する方法としては、低分子ゲル化剤、高分子ゲル化剤による方法、例としては少ないが、逆紐状ミセルによるゲル化がある。しかし、生体や環境に対する高い安全性、好ましい使用感、及び良好なゲル化能を兼ね備えたゲル化剤は従来無かった。本研究は、従来の問題点を解決した、逆紐状ミセルを形成するゲル化剤及びオイルゲルを提供することを目的とする。

技術概要

逆紐状ミセルは、界面活性剤の形成する自己集合体の一種であり、高粘弾性のゲルを形成し、内部には親水的な環境を有しており、水溶性の成分・薬物や酵素等を内包することができる点でその他のゲル化法より優れている。しかし、これまでの逆紐状ミセルには加水分解の問題や、皮膚・粘膜等への強い刺激性のある物質を用いなければならない等の問題があった。本研究はレシチン/ショ糖脂肪酸エステル/各種オイルの3成分混合系を用いて、逆紐状ミセルから成るオイルゲル化剤および増粘ゲル状組成物を提供するものである。本研究で使用するショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸の種類と結合数を変えることにより非常に幅広い親水親油バランスのタイプを得ることができ、かつ、無味無臭で食品用の乳化剤として用いられ、また、皮膚や粘膜に対しての刺激性が無い。さらに、レシチンに次いでもっとも生分解性に優れるため、環境に対しても負荷が少ない。

適用製品

三軸圧縮試験機、地すべり変位計(斜面)、遮水

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