急性前骨髄球性白血病(APL)の原因となっているRARαの機能低下を補う方法の提供。
多くの急性前骨髄球性白血病(APL)では15番と17番染色体の相互転座により、RARαとPML遺伝子が組換えられ、これらの融合タンパク質が発現する。これらは正常なRARαとPMLタンパク質機能が低いため、白血球分化が前骨髄球の段階で停止しAPLとなる。APLでは高濃度レチノイン酸(活性型ビタミンA;RARαのリガンド)投与により改善する場合もあるが、副作用や耐性を生じる場合もある。本研究では、細胞膜透過性の正常型RARαを大腸菌に大量産生させ、精製することに成功した。また、このタンパク質はAPL患者由来のAPL細胞を好中球へと高効率で分化させた。この結果、本研究タンパク質はAPL治療剤としての応用が考えられる。
白血病(急性前骨髄球性白血病;APL)治療剤
同じカテゴリーのお知らせ
IL-4/IL-13 シグナルの血中 miRNA バイオマーカーによる診断およびモニタリング方法(12576)
難治性喘息患者に対し、生物学的製剤の有効性が期待されています。デュピルマブを対象に、有効性に関連するバイオマーカーとして、循環血中マイクロRNA (miRNA) の探索を行いました。 詳細を見る
ミツバチを救うチョーク病の特効薬(12551)
チョーク病(届出伝染病)は、セイヨウミツバチの幼虫がかかる病気で、採算性が落ちる真菌感染症です.チョーク病の対策に本研究が役立つ可能性があります. 詳細を見る
アミドとペプチドの新しい合成法を提案グリーンケミストリーに貢献(12543)
高い触媒活性と基質選択性を特長とするアミド及びペプチド結合形成反応における新しい触媒を開発しました。 効率性と環境調和性を兼ね揃えた新しい合成プロセスを提案します。 詳細を見る