検査項目の選択作業の手間を軽減することができる分子検査支援装置及びプログラムを提供する。
現在、医療機関における診療科は、消化器外科や呼吸器内科など、主に対応する臓器に応じて設置されている。一方で、病理診断科は臓器毎に分かれておらず、個々の病理医は全診療科と全臓器に対応するために、臓器や標的分子横断的に俯瞰する立場にある。しかし、鑑別診断のためのマーカーや分子検査情報は診療科別や臓器別に多数存在し、研究の進展に伴って増加し続けている。
さらに、これらの診断や検査に関わる情報は、診療科や臓器別に整備されているため、非常に分散した状態となっており、病理医は個人の努力でそれぞれの情報にアクセスし、自身の情報を更新していかなければならず、医師に情報格差をもたらしていると考えられる。
医師の情報格差は、適切な病理診断の精度に影響を与え、適切な治療法選択の機会を失ってしまう患者の医療格差が生じる一因となる。
これらの課題解決を目指し、分散するエビデンス情報を一元化して簡便に提示するアプリケーション(アプリ)の開発を試みた。
本アプリは人体の複数の臓器名リストから診断対象の検査標本の臓器名を選択肢することにより、
免疫組織化学染色による診断又は遺伝子解析による診断を含む分子検査の検査項目から診断対象の検査標本に対して実施が推奨される推奨検査項目を提示するものである。
病理診断業務に沿って構築した本アプリは、診断分野で初めてのエビデンスに基づく情報の一元化システムであり、導入による業務効率や知識の向上は、医師の情報格差の解消への有用性が期待される。
病理診断補助システム
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