マウス多量体免疫グロブリンレセプターのELISAシステムの開発(11135)

技術分野
創薬
所属
歯学部 歯学科
氏名
浅野 正岳

目的

天然型マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgRとする)に反応する高感度のモノクローナル抗体をコンスタントに賛成するハイブリドーマを提供する。

技術概要

マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)は、粘膜免疫機構において主体的役割を果たす分泌型IgA分子の構成成分であり、生体の恒常性維持にとって必要不可欠のものとして知られ、pIgRは、レセプター仲介取り込み等の薬物伝達方法に有用と考えられている。これに特異的に結合する抗体として、ウサギpIgR由来のペプチドを抗原とする抗体や、ウサギ胆汁、ラット胆汁から精製されるpIgRのタンパク質分解フラグメントを抗原とする抗体等が作製されている。また、マウスpIgRに反応する抗体として、免疫したウサギ等の血清から得られるポリクローナル抗体が得られているが、マウスpIgRに反応するモノクローナル抗体は未だ作製されていない。
ポリクローナル抗体は、その製造には量的な制限があり、同一のロットで永続的に抗体を作製することができないという問題があった。
鋭意研究を行った結果、マウスpIgRに反応するモノクローナル抗体を産生し得る、複数のハイブリドーマ株を樹立した。本ハイブリドーマ株よって作製されるモノクローナル抗体は、従来のポリクローナル抗体と比較して、マウスpIgRに反応する感度が高く、また、天然型マウスpIgRに反応するため有用である。
得られるモノクローナル抗体は、免疫増強シグナルを付与して抗原抗体反応の活性化を行うことで得られたマウス抗体であるため、マウスに投与した場合に異物として認識されず、マウスを用いたin vivoの実験に使用が可能である。
本発明のマウスpIgRに反応するモノクローナル抗体は感度が高く、また、天然型マウスpIgRに反応するため、ウェスタンブロッティングやELISA等の実験手法において有用である。

用途

●マウスpIgR研究のすべてに活用可能
●マウス腸上皮細胞における抗体依存性の薬剤の吸収実験
●マウス各種臓器におけるpIgRの濃度測定

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