ビタミンD誘導体の副作用である血中カルシウム上昇作用(高カルシウム血症)を誘導しないビタミンD受容体作用剤の提供。
ビタミンD誘導体は,骨粗鬆症や尋常性乾癬の治療に利用され,また悪性新生物,自己免疫疾患,感染症,神経変性疾患への効果も報告されている。しかし,副作用である高カルシウム血症がその利用の妨げとなっている。本研究は,ビタミンD受容体に作用する胆汁酸誘導体リトコール酸プロピオネートを提供する。リトコール酸プロピオネートは,胆汁酸誘導体の中で最も効果的にVDR(ビタミンD受容体)を活性化する化合物であり,血中カルシウム濃度を上昇させることなく,臓器のVDR標的遺伝子の発現を誘導した。悪性新生物(骨髄性白血病など),自己免疫疾患,感染症,神経変性疾患,骨粗鬆症,尋常性乾癬などの治療への応用が考えられる。
悪性新生物治療薬,自己免疫疾患治療薬,感染症治療薬,神経変性疾患治療薬,骨粗鬆症治療薬,尋常性乾癬治療薬
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