末梢神経が損傷を受けると、損傷神経の支配部位およびその部位を超えた広い領域に疼痛異常が発症することが知られている。このような、損傷領域を超えた痛覚異常は、異所性の痛覚異常であり、臨床的に誤診や誤った治療の原因となるといわれている。しかし、実際にはその神経機構が不明なために、神経損傷に伴う異所性疼痛に対する適切な治療は行われていない。
そこで、本研究では、口腔顔面領域をターゲットに、三叉神経損傷および口腔顔面領域の炎症によって引き起こされる痛覚異常の神経機構を様々な研究手法を用いて解明することを目的とした。
口腔内痛患者の疼痛評価方法の検討、口腔内痛患者における疼痛強度と心理社会的因子の関係について検討、各種モデルでの疼痛に関連する分子機構解明と適した治療法の提案検討を行った。
メカニズムが十分解明されていないが、患者のQOLを低下させる口腔顔面領域の異常疼痛発症機構についての研究は新たな治療法や新規治療薬の開発に貢献する。
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