超弾性合金は携帯電話のアンテナなどに利用されている比較的安価なTi-Ni合金であるが,その電気抵抗の高さと弾性伸び変形の大きさから大きな変形を精度良く測定するためのセンサとして活用できると考え,ひずみセンサや変形センサとしての可能性を検討している。
本研究では超弾性合金センサの応用例として,突風に対するGFRP*屋根の変形・応答振動の測定を試み,超弾性合金センサのセンサ特性の検証とともに,GFRP屋根の風応答や新道徳性について検討した。
超弾性合金センサシステムは,超弾性合金ワイヤーの長さ調節によって,たわみ測定の範囲を比較的自由に設定できる利点があり,今回の測定対象のような建築構造の変位測定に適した測定システムである。
超弾性合金センサは既存の変異変換機と比較して,センサ感度がひずみゲージの2倍以上と高く,測定範囲も広いことから,屋根材の動的応答を精度良く測定できることを検証した。
超弾性合金ワイヤーを応用した変位センサにより,軽量FRP屋根の風荷重に対する動的応答を測定するシステムを構築することができた。この計測システムはFRP屋根の動的応答や破損に対する構造ヘルスモニタリングシステムに応用可能である。
*GFRP:Fiber Reinforced Plastics,ガラス繊維強化プラスチック
建築・構造物のゆがみ測定センサ,装置
同じカテゴリーのお知らせ
知的行動創発ロボットで社会問題を解決!協働するロボットを実社会へ(研究紹介)
ロボットはあらかじめプログラムにより動作が決められており,災害現場のような複雑で未知の状況に対応することが苦手です。しかし人間は”被災者を助けたい”という目標に向かって必要な動作は自分で考え行動します。このような行動を自ら発するこ... 詳細を見る
劣化しにくいトバモライトの低温・短時間合成方法(12250)
トバモライト(Ca5Si6O16(OH)2・4H2O)はケイ酸カルシウム水和物の一種であり、軽量気泡コンクリート(ALC)やケイ酸カルシウム板などの建築材料の原料である。 製造プロセスにおいて添加剤を加えることでトバモライトを低温... 詳細を見る
Al2-xFexTiO5で熱膨張を自由に制御ゼロ膨張材料の開発(研究紹介)
負の熱膨張を示すチタン酸アルミニウムと正の熱膨張を示すチタン酸鉄の固溶体の鉄の量と焼結温度を調整し,高密度・高強度な熱膨張挙動を制御できる材料を開発。 安価なゼロ膨張材料の提供に貢献します。 詳細を見る