心不全は早期に診断することが望ましいといわれています。このため、カテーテル検査による肺動脈楔入圧の測定が必要となりますが、侵襲的であるため患者に対し負担を強いることにつながります。そのため本研究では非侵襲な検査手法の開発のため、人工知能を活用し、胸部レントゲン画像のみで肺動脈楔入圧を推定する研究を行っています。現状の結果として、少ない誤差で肺動脈楔入圧を推定できることが確認されました。
また、この人工知能により肺動脈楔入圧が高いと推定された患者は、死亡や心不全再入院といったイベントの発生率が高いことが分かりました。この人工知能により、心不全のリスク評価・治療効果の判定・退院後の予後予測を非侵襲に行うことができます。
人工知能の利点は、過去のデータに裏付けられた推定を行えるということと、推定速度がとても速いということです。そのため、いくつか課題も残りますが、このような方法が浸透すれば、従来よりも効果的な医療の提供が期待されます。本研究は、齋藤佑記先生(本学医学部)と共に実施しています。
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