悪性神経膠腫(なかでも膠芽腫)の治療成績の改善は大きな課題である。Temozolomide(TMZ)が標準治療薬として用いられているが、満足すべき効果は得られていない。放射線療法(RT)との併用、高用量TMZの臨床試験、他剤との併用療法などTMZプラスαに期待が寄せられている。
そんななか、 TMZに対して抵抗性である細胞株(T98G)において、 IFN-βとの同時併用は相乗的な(細胞増殖)抑制効果が認められるなど、IFN-βによりTMZの感受性が増強されるとの報告とともに、両剤の併用療法であるINTEGRA study が進行しつつある。
①TMZの感受性、特に自然耐性(細菌が元から持っている耐性)にはMGMTが強く関与していることが再確認された。また、TMZの感受性には、MGMT以外にも、MDK、CASP1、 VDR、 PCMT1 あるいは、 NF-κB pathway などの関与が示唆された。
②IFN-βの感受性には、PTEN、EIF2AK1(ZNF643、NUP50、RHOD、SDF2、HOXD11)などの関与が示唆された。
③TMZとIFN-βとの同時併用は相乗効果が認められ、臨床での併用療法に期待がもたれた。また、TMZ と IFN-βの相乗効果には、WT1、SKP1、PERP、JAK2、ATG5 などの関与が示唆された(効果予測因子と成りうる)。
悪性神経膠腫(なかでも膠芽腫)における個別化、さらなる薬剤との併用
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