固液混合材の製造上避けられない履歴に依存して生じる意図しない異方的構造を消去し、“意図する部分”に均一で一様な状態の固液混合材料の作成を可能にする超音波照射を用いた材料混合方法を提供する。
固液混合材料は力学的に混ぜようとすると必然的に分離不均一化を起こすため、これまで一様な状態を準備するのは難しかった。例えば、建築現場では固液混合材料であるコンクリートに振動をかけながら型に流し込む方法が一般的だが、流し込むときの振動や流動化で内部に異方的な構造ができやすく、材料としての破壊強度の意図しない低下や腐食しやすさに直結する。固まる前に超音波照射で内部構造を均一化させる本手法は、完全な一様・均質化が求められるあらゆる建築現場で活用されることとなる。3Dプリンターでは材料を射出して立体物を成形するのが一般的だが、射出の際には材料が特定の方向に大きく変形を受けるため、どうしても微細な構造として異方性を生じる。成型時の適当なタイミングで超音波を照射することにより、全体の(マクロな)構造は壊さずに微細(ミクロ)な異方性だけを取り除いて均一な構造を実現し、強度や弾性などの物性を均質化出来る。
セメント・コンクリートなど建築資材、3Dプリンター、固液混合材料、塗料、電子基板
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