天空の状態は天空放射輝度を測定することで明らかに出来る。天空放射輝度の測定は従来1個の放射輝度センサーを機械的に水平・垂直に回転させるために時間を要した。その天候が変化するため、正確な天空放射輝度を測定することが難しかった。本装置は半球状の容器に多数のセンサーを配置し、同時に測定できるようにしたため、天候が変化しない内に測定値を得られ、従来よりも迅速・大量・正確な測定が可能になった。
半球状の鉄製容器の表面に145個の放射輝度センサーを埋め込んである。天空の高度6度から180度、方位は0から360度の範囲で放射輝度を測定できる。145個のセンサーの出力はプリアンプを通して、マルチプレクサーに接続されおり、毎2秒毎にデータ蓄積装置に収納される。従来機械走査式の場合、全天を走査するのに2分から4分を要していたが、本装置は50分の1から100分の1の時間で測定できるため、天候の変化しない測定値が得られ、かつ大量に測定値を取得できるようになった。また機械的な駆動部分が無いため、磨耗も無く、故障も少なく、保守も容易である。多数のセンサーを校正するためにセンサー埋め込み部分にナットを設けて、校正用光源を接続しやすいようにしてある。
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