食品中の主要抗酸化成分の特定化とその寄与率について(研究紹介)

技術分野
アグリ・バイオ / 医療・福祉
所属
生物資源科学部 食品開発学科
氏名
松藤 寛

目的

 食品成分による生体恒常性維持についての関連性を明示することは食品品質を差別化する上で極めて重要となる。食品中の抗酸化物質は活性酸素による生体内酸化を抑制し、これらに起因すると考えられているガン、動脈硬化、老化、糖尿病等のさまざまな生活習慣病を予防すると期待されている。そのため、天然・食品中より数多くの抗酸化物質が見出され、今なお効果的な抗酸化物質の検索がなされている。一方、有効な食品を供給するためには、またその安全性の面からも、品質評価は必要不可欠である。しかし、天然物の多くは複雑な混合物であることから、有効成分含量あるいは成分組成を指標とした規格化は困難を伴う。
 そこで、本研究では、抗酸化活性測定法の一つであるDPPHラジカル消去活性を用いることにより、主要抗酸化成分の特定化や寄与率、また活性値より有効成分含量を測定できるのではないかと考え、検討を行った。

技術概要

DPPHラジカルは安定なラジカルであるが、抗酸化物質と反応することにより、紫色(517 nm)から黄色へと変化する。この退色度合いを測定することにより、抗酸化物質の活性を見積もることが可能となる。この作用を使いDPPHポストカラムシステムを構築した。これにより主要活性成分の特定化やその寄与率の算出が容易に行える可能性が示唆された。

用途

健康食品・機能性食品の品質評価および新規食品素材のスクリーニング

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