本研究は,アクアポニックスシステムを利用し,重層式の花壇を棚田のように,垂直方向に多段に配置し,その最下部に水槽等の水の貯槽を設け,花壇には花,野菜を栽培し,水槽においては,鯉や金魚等の鑑賞魚を育てるものであり,自然の干潟の満潮,干潮の水位変化に着目し,最上段の花壇から,次段の花壇に水を供給する際に,サイホン管を利用するところに最大の特徴がある。
アクアポニックスとは,自然界の微生物が魚等の水生生物の排泄物等を植物の栄養素へと変換させる働きを利用し,水生生物(金魚,ザリガニ等)と植物(花,野菜等)を同時に育成する再循環型エコシステムである。サイホン管を利用することで,土壌面の上部の一定レベルまで水を満たし,サイホンの原理で水を次段の花壇に水を供給し,これを繰り返すことにより,水槽の水質浄化と花壇に必要な栄養素を供給することが可能となる。
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