アクティブノイズキャンセリングを用いた開放空間におけるファン騒音の低減(12636)

技術分野
機械 / 計測
所属
理工学部 機械工学科
氏名
渡邊 亨

概要

開放空間におけるファン騒音を、安価かつ簡素なシステムで低減するアクティブノイズキャンセリング(ANC)技術です。従来の開放空間向けANCは、波の干渉による騒音増加や多数の音源による大型化・高コストが課題でした。本発明では、二次音源(キャンセル音)を囲むように騒音源を配置するコロケーション構造と外囲器を採用。市販ドライヤーを用いた実験では、一組のマイクとスピーカー、古典制御という簡易構成で、中音域(1000Hz付近)において最大約12dBの騒音低減を達成しています。

ポイント

●騒音源とキャンセル音源のコロケーション配置:二次音源を囲むように騒音源を配置して両者の距離差を抑えることで、開放空間でも干渉による騒音増加を防ぎ、中音域までの消音を可能にしています。

●外囲器によるハウリング防止と周囲への騒音増加抑制:二次音源の側面および後面を筐体(外囲器)で囲う構造により、後方へのキャンセル音放射を遮断し、参照マイクのハウリング防止と側面・後方の騒音増加抑制を両立しています。

●極めて簡素・低コストなシステム構成:従来のダクト型のような長い筒構造や多数のスピーカーを必要とせず、一組の参照マイク・スピーカーと古典制御(フィードフォワード制御)のみで成立するため、小型・安価に実装できます。

●汎実機実験における優れた消音性能:市販ドライヤー吸入口での検証において、吸入口側で1000Hz付近を中心に最大約12dBの低減を確認し、側面近傍でも大幅な騒音増加は生じないことを実証しています。

こんな研究や開発ニーズに

●生活家電の小型・低コストな静音化ニーズ
従来の吸音材や風路等の機構改良だけでは消音が難しく、装置の大型化やコストアップを避けたい家電(ヘアドライヤー、掃除機、洗濯乾燥機、換気扇など)の開発。

●業務用・高付加価値機器へのANC搭載ニーズ
装置コストの許容度が高く、動作音の低減が差別化につながる
業務用ロボット掃除機などの開発。

●住環境・生活騒音トラブルの低減を目指す製品企画
生活リズムの違いを気にせず夜間や集合住宅でも気兼ねなく使用できる生活家電の開発ニーズ。

●開放空間ANCの実用化・共同研究ニーズ
複雑な適応制御アルゴリズムや多数のスピーカーを使わずに、シンプルなハードウェアで実空間のファン騒音対策を進めたい企業との研究開発提携。

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