広周波数可変域を持つ電圧制御発振器はパワーエレクトロニクスや通信で広く利用される.近年,デバイス小型化及び汎用化に応じて,更なる小面積性と広帯域性が求められているが,従来技術では,発振回路構成素子数が多く,回路面積及び消費電力の削減が困難であった。
本研究では,従来技術と同程度の周波数可変域を保ちつつ,小面積かつ省電力な電圧制御発振器を作成した。
本研究では,小電力性,小面積性,広帯域性のバランスに優れた発振器を提案する。
電圧制御発振器の帰還部に逆方向に接続したダイオードを利用し,流入電流を極小へと制限した。また,発振器の構成素子数を減らすため,シュミットトリガインバータを用いて弛張発振器を構成した。
結果,先行技術と比較して,同程度の周波数可変域を持つ回路では回路面積を1/6に削減,また省電力性にも優れることを明らかにした。
・DC-DCコンバータ
幅広い要求電力に対応した動作を省電力且つ小面積に実現可能
・位相同期回路
一つの発振器で幅広い周波数へ位相同期し,システム規模削減に貢献可能
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