パラメトリックX線放射による新X線源とその応用(10953)

技術分野
医療・福祉
所属
量子科学研究所
氏名
早川 恭史

目的

日本大学電子線利用研究施設(LEBRA: Laboratory for Electron Beam Research and
Application)では、従来の線源とは原理的に異なる新規X線源の開発とその有用性の実証研究
を行っている。これはパラメトリックX線放射(PXR: parametric X-ray radiation)と呼ばれる現象
を利用したもので、単色で連続エネルギー可変、コヒーレンスに優れたX線源であるためイメージ
ングに適しており、特定の元素の選択、或いは、軽元素からなる生体軟組織構造の非破壊検査、
または、血管造影、乳ガン検診といった医療診断などへの応用に期待できる。

技術概要

コンピュータ断層撮像(CT: computed tomography)
PXRの単色性と広い照射野を生かし、比較的大きな軽元素物質試料の非破壊測定が可能。
同時K端差分(KES: K-edge subtraction)法による元素イメージング
PXRの線形エネルギー分散(空間チャープ)を利用し、特定の元素のK殻吸収端エネルギー位置でビームを分割することにより吸収端前後の像を同時に取得することができ、両者の差分により、特定元素の分布が得られる。CTによる3次元元素分布の測定にも成功している。
位相コントラストイメージング(Phase-contrast imaging)
PXRビームは空間コヒーレンスに優れるため、これまで放射光でなければ困難であった位相コ
ントラスト法の1つである回折強調イメージング(DEI:diffraction-enhanced imaging)が可能になった。

用途

・マルチエージェントシステム構築のためのプラットホーム
・汎用(エージェント指向、オブジェクト指向、手続き型)並列計算環境
・ハイパフォーマンスコンピューティング

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