の検索結果:302件
地震時における建物の「ゆれ」を「定量化」する技術(12215)
地震発生前に構造物の複数の位置が各々どの程度揺れるのかを示す数値を提供し、構造物に必要な地震対策を適切に選択可能とすることをプログラムを提案する。
現在、地震が発生した場合に公的機関から発表される震度は、公的機関が所有する震度計によって計測された結果である。このため、震度計が設置された位置での震度を把握することはできるものの、地震によって特定の構造物がどのように揺れたのかを示すものではない。
実際に、構造物に居住する者にとっては、構造物に施す地震対策の必要性を理解する上で、地震の発生前に構造物の各階がどの程度揺れるのかを知ることは重要である。
例えば、過去に発生した大地震と同程度の地震が発生した場合に、これらから建てる自宅の各階がどの程度揺れるのかを数値として示すことができれば、自宅に対してどのような地震対策を施すべきかの理解が容易となり、必要な地震対策を適切に選択することが可能となる。
構造物に複数の評価位置を設定する評価位置設定工程と、構造物にシミュレーション用地震波を入力することで得られる評価位置ごとの加速度を算出する加速度算出工程と、構造物の固有周期に基づいて、シミュレーション用地震波が構造物に入力された場合における評価位置ごとの振動周期を算出する振動周期算出工程と、加速度と振動周期とに基づいて評価位置ごとの揺れ指標値を求める揺れ指標値算出工程とを有するシステムを開発した。本プログラムにより地震発生前に構造物の複数の位置が各々どの程度揺れるのかを示す数値が提供されるため、構造物に必要な地震対策が選択可能になる。
耐震対策に供するプログラム
4つのキーのみでかな文字入力を可能とする文字入力方式(12158)
小型タッチパネルディプレイ(例えばスマートウォッチ(登録商標))の入力に適した文字入力方法を提案する。
小型タッチパネルディプレイの入力方法として様々な提案がなされているが、音声入力では環境に寄っては入力が困難となり、テンキーをベースにしたソフトウェアキーボード方式では少なくとも10キーは必要となり、小さなディスプレイ上では十分な大きさのキーを配置することができないため、入力ミスが多発するという問題がある。
使用者による入力ミスを抑制しつつ入力部を小型化し、使用者による入力速度を向上させ、入力に伴う使用者の疲労を抑制し、入力部が表示の妨げになってしまうことを抑制することができるたった4つのキーによる文字入力装置、文字入力方法およびプログラムの開発に成功した。
ウェアラブルデバイス、スマートフォン上での文字入力、VRゴーグルやスマート家電に適したコンパクトな入力デバイス
堆積物燃料電池を利用したチョウバエの発生抑制(12145)
チョウバエは下水汚泥や不衛生な水まわりで発生する衛生害虫である。
発明者は、下水処理場で大量に発生する下水汚泥を発電の燃料源として有効利用する堆積物燃料電池リアクターの開発に取り組んできた。そして堆積物燃料電池による発電が、衛生害虫として知られるチョウバエの発生を効果的に抑制する現象を発見した。
堆積物燃料電池リアクター上部から投入した下水汚泥は、ろ材(活性炭)でろ過され、ろ材上部に汚泥が堆積して濃縮される。この堆積物に被覆される上部の活性炭層は還元状態となり、アノード(正極)として機能する。一方、下部の活性炭層は空気層と接しており、酸化状態が維持されるためカソード(負極)として機能し、電気が発生する。下水汚泥にはチョウバエの卵が含まれているが、発電を継続させた条件ではチョウバエの発生がゼロであるのに対し、発電を途中で停止した条件ではチョウバエが発生した。
発電の有無により堆積物(濃縮下水汚泥)の色は大きく異なり、発電によって鉄が酸化された状態ではチョウバエの孵化が抑制されることが示唆された。
本現象は、高電圧や薬剤に頼らずにチョウバエの発生を抑制する手法としての可能性を秘めており、水処理施設やサニタリー(水まわり)設備の衛生管理への応用が可能である。チョウバエ以外の生物への影響を防止できるロハスな手法であることが、従来の害虫抑制手法にはないアドバンテージである。
水処理施設やサニタリー(水まわり)設備の衛生管理を高電圧や薬剤に頼らずに実現可能とするシステム
高純度超微細水酸アパタイトの合成とその性質(12063)
高い比表面積を有し、かつ高純度の水酸アパタイトを製造することができる方法を提供する。
水酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)は、歯や骨の硬組織の主要無機化合物であり、タンパク質の吸着性や生体親和性に優れている。このため、人工骨などの生体材料、触媒及び吸着材などに広く用いられている。
従来の水酸アパタイトの合成法としては、カルシウム塩を含む溶液とリン酸塩を含む溶液とを反応させて合成する方法が知られている。
生体材料などの分野においては、高い比表面積を有し、かつ高純度の水酸アパタイトが求められているが、従来の水酸アパタイトの合成法では、高い比表面積を有し、かつ高純度の水酸アパタイトを得ることができなかった。
本研究においてシュウ酸水溶液を添加した水酸化カルシウムスラリーと、リン酸水溶液とを準備する工程と、超音波を照射しながら、水酸化カルシウムスラリーとリン酸水溶液とを混合し、水酸化カルシウムとリン酸を反応させて水酸アパタイトを生成することにより、高い比表面積を有し、かつ高純度の水酸アパタイトを製造することを確認した。
高い比表面積を有し、かつ高純度の水酸アパタイトの製造
ベンゼン環構造を含まない新規有機蛍光物質の生産(12047)
岩手県釜石市平田湾より単離されたPseudomonassp. ITH-SA-1株は、低分子リグニンの一種であるシリングアルデヒド(SYAL)を培地に添加して培養した場合、SYAL中間代謝産物の重合体と考えられる有機蛍光物質を生産することを見出した。
一般に炭化水素からなる蛍光物質には、ベンゼン環構造が含まれている場合が多いが、本蛍光物質にはベンゼン環構造は検出されなかった。また、強酸性、強アルカリ性環境下でも蛍光活性は衰えず、さらに、優れた耐熱性も有していることが確認された。
リグニンは、植物細胞壁の15~30%を占める主要な成分であり、複雑な構造を有し、未利用バイオマスの一つである。微生物機能を利用して、このようなリグニンを有用性が高い物質に変換する方法の開発は、未利用バイオマスの有効利用という観点から非常に重要である。
リグニンを高付加価値物質へ変換する微生物のスクリーニングを行い、低分子リグニンの一種であるシリングアルデヒド(Syringaldehyde;SYAL)を変換、重合し、有機緑色蛍光物質を生産する菌株シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)ITH-SA-1株を岩手県釜石市平田湾の海水より単離した。本蛍光物質は、平均分子量が7.2kDaで励起波長(Ex)/蛍光波長(Em)=365/498nmの蛍光スペクトルを示す物質であり、NMR分析等からベンゼン環由来のシグナルが全く検出されないことが示唆された。
さらに、SYALの下流の代謝産物である3-O-メチルガリック酸(3-O-methylgallate;3-MGA)とトリプトンとを反応させることにより、同様の性質を有する蛍光物質が産生されることを見出した。
また、トリプトンの構成成分のうち、カゼインダイジェストが3-MGAとの反応に必要であり、さらに塩基性アミノ酸、又はアミン類も3-MGAと反応して、それぞれ異なる蛍光波長の新規の蛍光物質を製造できることを見出した。
新規蛍光素材・塗料、研究用試薬、臨床用試薬、有機EL、その他の蛍光物質の新たな用途など。
低酸素への耐性を誘導するペプチド(11876)
血液凝固第9因子(F9)は他の凝固因子に切断されると活性化し、血液凝固を進めることが知られている。
我々はこれまで機能が知られていないF9が切断された後の血液凝固に関与しない部分であるF9−APに血管内皮細胞に働き、血管透過性を抑制する機能があることを発見した。
循環障害が起きて組織の酸素濃度が低下すると、機能が低下し、やがて不可逆的な障害を受ける。
これまで循環障害やそれに合併する低酸素症の主な治療ターゲットとして研究されてきたのは心臓や太い動脈であった。
ガス交換に関与する毛細血管や、さらにその先の組織に対する治療薬には有効なものは少ない。
例えば、肺水腫は、肺血管内皮細胞のバリア機能が低下し、血液中の水分が肺間質中に漏れ出た状態であり、肺でのガス交換が障害されて低酸素血症をきたす。
心不全や敗血症などは原因疾患の治療が最も有効であるが、その治療に苦慮することが多い。
脳梗塞モデルマウスの血流遮断後にF9−APを静脈内投与したところ、血流遮断後30分でF9-APを使用した場合は、1mg/kg以上の濃度で脳梗塞縮小作用が最大になった。3mg/kgのF9−APは血流遮断から6時間後の投与でも有意に硬塞巣を縮小した。
マウスに大腸菌由来毒素(LPS)を静脈内投与して肺血管透過性を亢進させた後、体重の20%の生理食塩水を静脈内投与して低酸素血症(酸素飽和度94%以下)モデルを作成した。
生理食塩水を静脈内投与する1時間前に300 mg/kgのF9−APを静脈内投与した。
コントロールでは酸素飽和度が70%以下になったマウスは即死した。一方、F9−APを投与した群では、15頭中6頭が酸素飽和度70%以下でも生存した。
【凝固反応を伴う循環不全が関係する病態】
敗血症、播種性血管内凝固症候群、急性呼吸窮迫症候群それらの原因である感染症、重度外傷と熱傷、急性白血病、急性膵炎、産科疾患
【局所の虚血がおこる疾患】
脳梗塞、心筋梗塞、腎梗塞、外傷や二次的に起きる浮腫、事故や疾患による低酸素脳症
【細胞膜ホスファチシ゛ルセリンの細胞外への露出抑制】
抗血小板作用、抗リン脂質抗体症候群
血管透過性を抑制し脳組織の傷害を改善するペプチド(11876)
血液凝固第9因子(F9)は他の凝固因子に切断されると活性化し、血液凝固を進めることが知られている。我々は、この切断により切り出されるペプチド(F9-AP)が様々な細胞に働きかけ、細胞を伸展させることを発見した。血管を構成する細胞の伸展は、細胞間接着を強化し、細胞遊走を抑制し、結果として血管バリア機能を強化する。
脳の血管には、血液と神経組織との間で水や物質の交換を制御するバリア機能(血液脳関門)がある。血液脳関門は、神経機能の維持に必須の機能である。近年、中枢神経組織の傷害時に傍細胞がはたす役割が注目されている。傍細胞は外傷をうけた時に、周囲組織の傷害部へ遊走し、傷を塞ぐ肉芽組織の形成に携わる。この現象は創傷の治癒に貢献する一方、周囲組織での脳血液関門を損なう可能性がある。
脳外傷モデルラットにF9-APを連日静脈内投与したところ、外傷後24時間後の脳浮腫が改善し、移動能力は長期にわたって有意に改善した。
また、脳梗塞モデルマウスを作成し血流遮断後にF9−APを静脈内投与したところ、血流遮断後30分でF9-APを使用した場合は、1mg/kg以上の濃度で脳梗塞縮小作用が最大になった。3mg/kgのF9−APは血流遮断から6時間後の投与でも有意に梗塞巣を縮小した。
【凝固反応を伴う循環不全が関係する病態】
敗血症、播種性血管内凝固症候群、急性呼吸窮迫症候群、それらの原因である感染症、重度外傷と熱傷、急性白血病、急性膵炎、産科疾患
【局所の虚血がおこる疾患】
脳梗塞、心筋梗塞、腎梗塞、外傷や二次的に起きる浮腫、事故や疾患による低酸素脳症
【細胞膜ホスファチジルセリンの細胞外への露出抑制】
抗血小板作用、抗リン脂質抗体症候群
前立腺癌における新規治療標的となりうる遺伝子の同定(11870)
前立腺癌に対して有効な新たな治療法を提供すること、及び、去勢抵抗性前立腺癌の治療による効果を予測するために有用なマーカーを提供する。
前立腺癌は欧米では最も罹患率の高い癌で、本邦においても近年の食生活の欧米化や高齢化社会の到来などにより患者数は急速な増加傾向にある。
前立腺癌はアンドロゲンにより発症・進展しており、細胞内において核内受容体であるアンドロゲン受容体(AR)が重要な役割を果たしている。そのためアンドロゲンを阻害する内分泌療法は前立腺癌に対する確立された治療法の一つであるが、しばしば治療中に癌が再燃しアンドロゲン非依存的に増殖する去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)へと進行し治療に難渋する前立腺癌患者が増加していることが臨床上の大きな課題である。
近年の研究により去勢抵抗性前立腺癌細胞内でもアンドロゲンシグナルは活性化されており、アンドロゲン応答遺伝子の発現亢進が続いていることが明らかになっている。
そこで我々はゲノムワイドにアンドロゲン応答遺伝子を検索、同定し機能解析することで前立腺癌治療の新たな治療標的の同定を目的とした。
鋭意検討を行った結果、新たなARの標的遺伝子の一つとして見出されたG3BP2遺伝子に着目するに至った。
前立腺癌の診断を目的として生検した検体にG3BP2遺伝子が高発現している場合、その後の治療経過において有意にドセタキセル治療に反応せず、前立腺癌の再燃(PSA再発)を起こすことを見出した。そこで、このG3BP2遺伝子の発現をマーカーとすることで、前立腺癌の治療による効果が事前に予測できることを見出した。
また、本発明者らは、このG3BP2遺伝子が、前立腺癌の進行を促進させ、進行性前立腺癌(去勢抵抗性前立腺癌)の唯一の治療薬であるドセタキセルに抵抗性を持つ遺伝子である事を見出したことから、このG3BP2遺伝子の発現を抑制し得るsiRNA等の二本鎖核酸分子を作製し、これによって前立腺癌の進行が抑制できることを見出した。
前立腺癌の新規治療法、去勢抵抗性前立腺癌の治療効果の予測