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生体分子シミュレーション-核酸医薬品開発への展開-(研究紹介)
急速に向上しているコンピュータの処理能力と新たな理論やアルゴリズムの開発によって,生体高分子の構造やその機能を高精度にコンピュータ上でシミュレートすることが可能となってきている。
生体分子シミュレーションにより,アプタマーと標的分子との結合の分子メカニズムを明らかにし,アプタマー設計を論理的に設計する基盤を構築する。
量子化学計算と分子動力学計算により,アプタマーと標的分子との結合の分子メカニズムを明らかにする。
・量子化学計算による分子間相互作用の解析技術 ー 分子間相互作用を,量子化学に基づくフラグメント分子軌道計算により詳細に解析する技術を蓄積
・アプタマーをはじめとする様々な核酸医薬品分子の開発に
・分子シミュレーションを用いて,新規分子の設計開発
・生命現象の分子メカニズムの解明
実用性の高い治療用細胞 ―脱分化脂肪細胞(DFAT)― GLP製造を目指したDFAT製造用培養容器の開発(12180)
成熟脂肪細胞を長期間培養する方法として確立している天井培養法を従来法に比べより少量の培地で簡便に行なえる大容量培養容器を開発した。
臨床使用を想定し,市販の75cm2セルカルチャーフラスコを改造した。フラスコ底部から3.5~5㎜の高さに透明プラスチック板の仕切りを設けた。これにより,フラスコを反転して培養する必要がなくなり,通常の細胞を培養する状態で天井培養が行えるようになった。また,フラスコを培地で満たす必要がなくなったことから,75cm2セルカルチャーフラスコでも約50mlの培地量で天井培養が可能となった。また,フラスコを培地で満たすことによって起こりうる培地が漏れる問題,細菌感染が起こりやすい問題そしてガス交換が不十分になる問題が解決した。
・より簡便,確実,安全に行える脂肪細胞の天井培養
・セルプロセッシング・アイソレータ内での操作
・治療用細胞としてのDFAT調製を目的とした臨床グレードの培養容器の提供
口腔顔面領域に発症する神経障害性疼痛の神経メカニズム(研究紹介)
末梢神経が損傷を受けると、損傷神経の支配部位およびその部位を超えた広い領域に疼痛異常が発症することが知られている。このような、損傷領域を超えた痛覚異常は、異所性の痛覚異常であり、臨床的に誤診や誤った治療の原因となるといわれている。しかし、実際にはその神経機構が不明なために、神経損傷に伴う異所性疼痛に対する適切な治療は行われていない。
そこで、本研究では、口腔顔面領域をターゲットに、三叉神経損傷および口腔顔面領域の炎症によって引き起こされる痛覚異常の神経機構を様々な研究手法を用いて解明することを目的とした。
口腔内痛患者の疼痛評価方法の検討、口腔内痛患者における疼痛強度と心理社会的因子の関係について検討、各種モデルでの疼痛に関連する分子機構解明と適した治療法の提案検討を行った。
メカニズムが十分解明されていないが、患者のQOLを低下させる口腔顔面領域の異常疼痛発症機構についての研究は新たな治療法や新規治療薬の開発に貢献する。
マウス多量体免疫グロブリンレセプターのELISAシステムの開発(11135)
天然型マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgRとする)に反応する高感度のモノクローナル抗体をコンスタントに賛成するハイブリドーマを提供する。
マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)は、粘膜免疫機構において主体的役割を果たす分泌型IgA分子の構成成分であり、生体の恒常性維持にとって必要不可欠のものとして知られ、pIgRは、レセプター仲介取り込み等の薬物伝達方法に有用と考えられている。これに特異的に結合する抗体として、ウサギpIgR由来のペプチドを抗原とする抗体や、ウサギ胆汁、ラット胆汁から精製されるpIgRのタンパク質分解フラグメントを抗原とする抗体等が作製されている。また、マウスpIgRに反応する抗体として、免疫したウサギ等の血清から得られるポリクローナル抗体が得られているが、マウスpIgRに反応するモノクローナル抗体は未だ作製されていない。
ポリクローナル抗体は、その製造には量的な制限があり、同一のロットで永続的に抗体を作製することができないという問題があった。
鋭意研究を行った結果、マウスpIgRに反応するモノクローナル抗体を産生し得る、複数のハイブリドーマ株を樹立した。本ハイブリドーマ株よって作製されるモノクローナル抗体は、従来のポリクローナル抗体と比較して、マウスpIgRに反応する感度が高く、また、天然型マウスpIgRに反応するため有用である。
得られるモノクローナル抗体は、免疫増強シグナルを付与して抗原抗体反応の活性化を行うことで得られたマウス抗体であるため、マウスに投与した場合に異物として認識されず、マウスを用いたin vivoの実験に使用が可能である。
本発明のマウスpIgRに反応するモノクローナル抗体は感度が高く、また、天然型マウスpIgRに反応するため、ウェスタンブロッティングやELISA等の実験手法において有用である。
●マウスpIgR研究のすべてに活用可能
●マウス腸上皮細胞における抗体依存性の薬剤の吸収実験
●マウス各種臓器におけるpIgRの濃度測定
間質性肺炎のバイオマーカーとしての新規自己抗体の同定(11742)
間質性肺炎(interstitial pneumonia)は、肺胞間の隔壁である肺の間質組織における炎症性疾患の総称である。間質性肺炎の進行に伴い、間質組織の線維化が生じ、患者の呼吸困難の原因となる。間質性肺炎は、膠原病よるもの、薬剤誘起性、職業若しくは環境によるものなどの原因が明らかな一群と、原因不明の一群とに大別される。原因不明のものは、特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias、IIPs)と呼ばれ、全部で7つの疾患に分類される(表1)。
中でも、特発性肺線維症は予後不良であり、我が国では難治性疾患として特定疾患に指定されている。本疾患を確定診断を行するためには、臨床所見、画像所見、肺の機能評価、外科的肺生検による病理組織学的所見等に基づく総合判断を行う必要となるため、より簡便で、かつ、高い陽性率及び特異性をもって特発性間質性肺炎、特に特発性肺線維症の診断方法の開発が強く求められている。
間質性肺炎(interstitial pneumonia)は、肺胞間の隔壁である肺の間質組織における炎症性疾患の総称である。間質性肺炎の進行に伴い、間質組織の線維化が生じ、患者の呼吸困難の原因となる。間質性肺炎は、膠原病よるもの、薬剤誘起性、職業若しくは環境によるものなどの原因が明らかな一群と、原因不明の一群とに大別される。原因不明のものは、特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias、IIPs)と呼ばれ、全部で7つの疾患に分類される(表1)。
中でも、特発性肺線維症は予後不良であり、我が国では難治性疾患として特定疾患に指定されている。本疾患を確定診断を行するためには、臨床所見、画像所見、肺の機能評価、外科的肺生検による病理組織学的所見等に基づく総合判断を行う必要となるため、より簡便で、かつ、高い陽性率及び特異性をもって特発性間質性肺炎、特に特発性肺線維症の診断方法の開発が強く求められている。
特発性間質性肺炎(IPF)の検出方法、特発性間質性肺炎の検出用いるためのマーカー、及び特発性間質性肺炎を検出するためのキットを提供する。 本研究により、簡便に、かつ、高い陽性率及び特異性をもって特発性間質性肺炎の診断が可能となると期待される。また、本発明により、特発性間質性肺炎の早期の診断が可能となり、早期の治療開始が可能となり、適切な処置を施すことで、患者のQOLの向上が期待できる。また、本発明で見出した抗体を標的とした特発性間質性肺炎の治療薬の開発も期待される。
アスファルト舗装廃材から素材を分別回収する新たなリサイクル技術の開発(12186)
アスファルト舗装廃材は、良質な骨材とアスファルトを含有した貴重な天然資源混合物といえます。近年では機械破砕によって舗装廃材を粒状化し、得られた再生骨材を再び舗装用骨材として利用していますが、再生骨材は骨材と劣化したアスファルトが混在する不均質な材料であるため、品質管理や持続的利用が難しく、用途も限定されます。
舗装廃材が含有する骨材(石、砂)とアスファルトをより有効に、かつ持続的に、さらには柔軟に利活用するためには、例えば使用後のカン、ビン、ペットボトルのように、素材ごとに分別回収し、繰り返し再資源化できるリサイクル技術の開発が不可欠です。
本研究室では水と油の性格を応用した新たな環境調和型リサイクル技術を開発しました。この技術は主に熱水中での撹拌によって舗装廃材を解砕・分級し、粗骨材(石)を再資源化する一次工程と、細骨材(砂)とアスファルトを分別、回収する二次工程からなります。
分別回収した各素材に関して品質管理試験を行った結果、特に骨材は新材と同等の品質を有することを確認しました。なお、アスファルトは分別回収時の熱水温度や撹拌速度を操作することで、性状(針入度、軟化点、伸度など)や状態(膜状、粒状、微粒子状など)を適宜制御できることが分かっています。
このほか、これまでの検討から得られた知見は以下のとおりです。
● 一次・二次工程によって舗装廃材の洗浄、解砕、分級、分別、回収、乾燥が行える。
● 分別回収した骨材およびアスファルトは新規素材と同様の管理と利用が可能である。
● 熱水の循環利用により、現行方法に比べて省エネ・省コスト化が期待できる。
● 放射性物質による汚染舗装の除染・減容化技術としての応用が期待できる。
道路舗装分野(アスファルト、アスファルト乳剤)、その他の建設・建築材料分野
ヒト胎児付属物由来幹細胞の免疫制御能の差異とそのメカニズムに関する検討(研究紹介)
胎盤、臍帯などの胎児付属物には間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell : MSC)が豊富に存在し、単離・培養増幅できることが報告されている。採取に侵襲的処置を要する骨髄由来MSCと比べても、胎児付属物由来幹細胞は本来破棄されるものを利用し無侵襲的に採取でき、また増殖活性が高いことから、再生・移植医療における細胞治療の有用な細胞ソースと考えられている。しかし、胎児付属物由来MSCの局在部位による形質や免疫制御能の差異についての詳細な検討は今までになされていない。
本検討では、胎児付属物を羊膜間質、羊膜上皮、臍帯Wharton’s Jerryに分離し、各々から得られるMSCの免疫制御能を比較することにより、細胞治療ソースとしての有効性や効率性を評価し、臨床応用をめざすことを目的とする。造血幹細胞移植は血液腫瘍疾患をはじめ、原発性免疫不全症や先天代謝異常症など様々な疾患で根治目的に施行され、効果を期待される治療法である。しかし、放射線照射や移植前の大量化学療法による治療関連毒性に加え、移植片対宿主病(Graft versus Host disease : GVHD)などの重篤な移植関連合併症があり、治療関連死のリスクが高いことが大きな問題である。移植関連合併症の予防も含めた治療戦略の一つとして、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell : MSC)をはじめとする免疫細胞治療が近年注目されている。MSCは免疫寛容能があり第三者由来でも利用可能とされ、国内外でも臨床応用が開始されているが、その多くは骨髄由来MSCが使用されている。
胎盤、臍帯などの胎児付属物にはMSCが豊富に存在し、単離・培養増幅できることが報告されている。採取に侵襲的処置を要する骨髄由来MSCと比べても、胎児付属物由来幹細胞は本来破棄されるものを利用し無侵襲的に採取でき、また増殖活性が高いことから、再生・移植医療における細胞治療の有用な細胞ソースと考えられている。しかし、胎児付属物由来MSCの局在部位による形質や免疫制御能の差異についての詳細な検討は今までになされていない。
本検討では、胎児付属物を羊膜間質、羊膜上皮、臍帯Wharton’s Jerryに分離し、各々から得られるMSCの免疫制御能を比較することにより、細胞治療ソースとしての有効性や効率性を評価し、臨床応用をめざすことを目的とする。
胎児付属物を羊膜間質、羊膜上皮、臍帯Wharton’s Jerryに分離し、各々から得られるMSCの免疫制御能を比較することにより、細胞治療ソースとしての有効性や効率性を評価した。
胎児付属物由来幹細胞の中では、WJ-MSCがもっとも免疫制御能が高く免疫原性も低い特徴を持っており、GVHD等に対する免疫細胞治療の細胞ソースとしては、臍帯が最有用と判断できた。
造血幹細胞移植後の急性GVHDに対する細胞治療
難治性自己免疫疾患、炎症性疾患に対する細胞治療
臍帯保存によるMSCバンク
周辺環境に優しいレーザ切断工法(12429)
建物の解体や改修時のコンクリート切断は,騒音や振動などの問題があり,様々な対策や工法が開発されているが完全な解決には至っていない。
低騒音・低振動・低粉塵・無反力であり,作業時の環境負荷低減に寄与することができるレーザー技術の特徴を活かし,200mmのコンクリートスラブ厚を切断する場合の新しいレーザ切断工法(ドリカット工法)を確立した。
ドリカット工法 ー 微細孔をあけながら切断する工法で,高出力レーザーによるドロスの発生を低減させることで,出力を抑えた切断工法を開発することが可能となった。
従来の100㎜厚コンクリートのレーザ切断では,5kW以上が必要であったが,本工法ではコンクリート強度20~130N/mm2 の100㎜厚を1kWで切断を可能とし,繰返し切断で200㎜厚を達成した。
・建築物の解体時および改修時のコンクリート部材や石材,無機材料の切断,孔あけ等