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磁気アルキメデス浮上を利用した液中微粒子の分離回収法(研究紹介)
磁性を利用した微粒子の分離は,強磁性体とそれ以外の物質を分離する高勾配磁気分離が主な分離手法として知られているが,弱磁性(非磁性ともいわれている)物質同士を分離できる磁気アルキメデス分離は実験的試みはなされてきたが,回収率の定量評価までには至っていない等の理由により未だ認知度が低い。
磁気アルキメデス分離は周囲媒体と被分離物質の磁化率差および密度差によって物質の浮上位置が異なることで分離できる物理的手法であり,異種物質はもとより同種物質でも含まれる微量な添加物や不純物による物性の違いによって浮上位置が異なる場合は分離できる。そのため希少物質のリサイクルのみならず,様々な分野における新たな分離・分析手法としての可能性を秘めている。
一例として水溶液中の混合色ガラス粒子の分離回収する装置を開発した。
水溶液中の3種類の混合色ガラス粒子を以下の2つの方法で分離回収して,回収率の比較を定量的に行なった.
方法A:混合状態から直接磁気浮上させて回収する方法
方法B:混合状態から一度磁気浮上させた後に磁場を下げて色ガラス順に積層させる.その後再度磁気浮上させて回収する方法
方法Bは3色の色ガラス粒子全てにおいて95%以上が目的の格納部に回収された.
対象により分離条件の検討を重ねることにより希少物質のリサイクルのみならず,様々な分野における新たな分離・分析手法としての可能性を秘めている。
●希少物質のリサイクル
●不純物質または添加物質の分析・評価
●付加価値物質の分離・回収
●希少金属の分離・回収
●新たな分離分析
筋骨格モデルによる疲労度と運動性能解析技術(研究紹介)
高齢化社会の進行と共に,人の運動をサポートする器具の開発や,適切なリハビリテーション実施方法の検討等に対する需要が高まるが,そのためには人体の疲労度と運動性能を定量的に解析・評価する技術の確立が求められる.従来筋骨格の特性は時間軸上での各筋肉の筋活性度と関節まわりの駆動トルクで評価していたが,運動トータルとしての評価に課題があった.自動車などの運動性能を評価する駆動パワーと,その駆動パワーを生むパワーユニットの運動の激しさを表す角運動量を用いて,人の運動における下肢関節まわりの各筋肉の負担度や疲労度を考察する.
●膝関節まわりの駆動パワーと各筋肉の角運動量の求め方
各関節まわりの各筋肉の角運動量の算出に必要な筋活性度推定のため,図1に示すSCOT L.DELPらの下肢筋骨格モデルを利用した. i番目の筋肉の等尺性最大収縮力 ,筋の長さ ,筋が腱に付着する角度 については,SCOT L.DELPらの値を使用する.筋活性度推定計算は,筋骨格モデル動作解析ソフトウェアのSIMMを用いて行った.求めた各筋肉の筋活性度αiを用いて図2に示す手法で,関節まわりの駆動パワーとその
パワーを生むのに働いた各筋肉の角運動量を求める.
●人の運動をサポートする器具(パワーアシスト,義足等)の開発
●膝OA症などのリハビリテーションへの応用
●スポーツ科学(スポーツ選手のトレーニング等)への応用
衛星による地球観測/環境監視への応用(研究紹介)
人工衛星による地球観測は,広域を繰り返して観測する特徴から,長期にわたる環境の変化を把握することに適している。中でも地球観測衛星として代表的な米国のランドサットは,1972年に1号が打ち上げられて以来,現在の8号まで継続して観測が行われている。時系列の衛星画像から長期にわたる土地被覆状況の変貌をとらえ,環境問題に発展した要因を明らかにし,対策立案等に寄与できる情報化を進めている。
ランドサットの成功を機に多くの国や機関が地球観測衛星を打ち上げ,運用している。観測装置(センサ)もバラエティに富み,いろいろな視点や方法で地球を撮影した画像からは,種々多様な情報が得られている。一方で,旧版図や過去の空中写真,偵察衛星写真や多種類の国土情報等の整備が進んでいる。これら情報を統合して人工的土地被覆への時系列な変貌を注視すると減災対策に寄与できる情報が見えてくる。
米国地球観測衛星ランドサットは1972年の打ち上げ以来,地球の観測を続けている。1972年,1988年,2002年の約15年間隔でランドサットが観測した画像と,その情報を基に土地の被覆状況を解析した結果より,東京の変貌(人工的土地被覆域の拡大,特に赤で示す市街化地域の拡大が顕著)が明確にとらえられている。
土地被覆調査,植生分布調査,熱環境調査,時系列変化の調査
パラメトリックX線放射による新X線源とその応用(10953)
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA: Laboratory for Electron Beam Research and
Application)では、従来の線源とは原理的に異なる新規X線源の開発とその有用性の実証研究
を行っている。これはパラメトリックX線放射(PXR: parametric X-ray radiation)と呼ばれる現象
を利用したもので、単色で連続エネルギー可変、コヒーレンスに優れたX線源であるためイメージ
ングに適しており、特定の元素の選択、或いは、軽元素からなる生体軟組織構造の非破壊検査、
または、血管造影、乳ガン検診といった医療診断などへの応用に期待できる。
コンピュータ断層撮像(CT: computed tomography)
PXRの単色性と広い照射野を生かし、比較的大きな軽元素物質試料の非破壊測定が可能。
同時K端差分(KES: K-edge subtraction)法による元素イメージング
PXRの線形エネルギー分散(空間チャープ)を利用し、特定の元素のK殻吸収端エネルギー位置でビームを分割することにより吸収端前後の像を同時に取得することができ、両者の差分により、特定元素の分布が得られる。CTによる3次元元素分布の測定にも成功している。
位相コントラストイメージング(Phase-contrast imaging)
PXRビームは空間コヒーレンスに優れるため、これまで放射光でなければ困難であった位相コ
ントラスト法の1つである回折強調イメージング(DEI:diffraction-enhanced imaging)が可能になった。
・マルチエージェントシステム構築のためのプラットホーム
・汎用(エージェント指向、オブジェクト指向、手続き型)並列計算環境
・ハイパフォーマンスコンピューティング
微粉末からはじまるマイクロ成形(研究紹介)
マイクロメーターサイズの微細成型を様々な材料に適用するのは難しい。この方法は材料を粉体にすることによって微細加工を行う方法を提供する。
微粉を樹脂と混合し,数μmから数100μmの厚みのシートを作成する。このシートには柔軟性があり,加工がきわめて容易。また,樹脂成分に感光性のものを使用することによってフォトリソグラフィーの適用が可能。あるいは,微細構造の施された母型に充填剥離することで微細構造の転写ができる。
MEMS,マイクロマシン,マイクロファブリケーション,パッケージ,アクセサリー
微分型センサー(研究紹介)
超弾性合金は携帯電話のアンテナなどに利用されている比較的安価なTi-Ni合金であるが,その電気抵抗の高さと弾性伸び変形の大きさから大きな変形を精度良く測定するためのセンサとして活用できると考え,ひずみセンサや変形センサとしての可能性を検討している。
本研究では超弾性合金センサの応用例として,突風に対するGFRP*屋根の変形・応答振動の測定を試み,超弾性合金センサのセンサ特性の検証とともに,GFRP屋根の風応答や新道徳性について検討した。
超弾性合金センサシステムは,超弾性合金ワイヤーの長さ調節によって,たわみ測定の範囲を比較的自由に設定できる利点があり,今回の測定対象のような建築構造の変位測定に適した測定システムである。
超弾性合金センサは既存の変異変換機と比較して,センサ感度がひずみゲージの2倍以上と高く,測定範囲も広いことから,屋根材の動的応答を精度良く測定できることを検証した。
超弾性合金ワイヤーを応用した変位センサにより,軽量FRP屋根の風荷重に対する動的応答を測定するシステムを構築することができた。この計測システムはFRP屋根の動的応答や破損に対する構造ヘルスモニタリングシステムに応用可能である。
*GFRP:Fiber Reinforced Plastics,ガラス繊維強化プラスチック
建築・構造物のゆがみ測定センサ,装置
プローブクライマーによるワイヤーロープ支持構造の健全性評価(研究紹介)
旅客輸送用索道のうち特に交走式に用いられる支索と呼ばれる搬器を支えるワイヤーの点検は困難である。また遊園地のジップラインなどワイヤーを使用する遊具も目視による点検がほとんどであり,その点検も高所での作業などの危険が伴う場合も多い。 本研究では構造用ワイヤーロープの遠隔保守点検システムを開発するために,自作のGMRセンサアレイ型検査機器を搭載して垂直方向にも自立移動できる昇降機構(プローブクライマー)を開発し,ワイヤーロープ支持構造の予見保全技術向上と技術作業員のリスク軽減に寄与するものである。
構造用ワイヤーロープの遠隔点検システムを開発するために,従来製品より小型で検出精度の高いGMRセンサアレイ型健全性評価システムを開発した上で,これを搭載して垂直方向に自立移動できる昇降機構(プローブクライマー)を製作し,その予見保全の妥当性について検討した。
開発したプローブクライマーは従来製品より高速でワイヤーロープの破断や錆とその発生位置を検出することに成功し,また,GMRセンサアレイ型健全性評価システムは,検出が困難であった内部破断についても検知可能であった。
支持構造として利用されるワイヤーロープ全般の予見保全や遠隔点検機器,土木構造,建築付帯設備,遠隔保守点検,上空大気の遠隔環境計測機器,リモートセンシング,高層建築での火災時避難器具
音源までの距離の測定方法(11216)
周波数に依存せず高い精度で音源までの距離をリアルタイムに計測することが可能な音響情報分離装置及び、用途に応じて、種々の条件で音源からの音響情報を分離することも可能な音響情報分離装置の提供。
騒音は環境基本法で定義されている典型7公害のひとつであるが、我々の生活環境は、種々の騒音に囲まれている状態である。
社会的に問題となっている、大きな騒音の発生源には、空港、道路、工場、鉄道等があるがこれらの騒音源が近接している場合もしばしば見られる。例えば、高速道路の向こうに空港がある場合には、おのおのの騒音を分離測定する場合には、音源までの距離の把握が必要になる。
そのため、高い精度と経済性を併せ持つ方法が求められている。
2つの音源方向検出マイクシステムを一定の距離を離して配置し、それぞれのシステムで音源方向を検出し、その直線の交点を音源として距離を求める方法を提案する。本方法は複数マイクによる時間差を利用する方法でないため、定常的な継続音についても測定可能である。また、距離情報を用いてのフィルタリングもリアルタイムで可能である。
本方法により、
◎高い精度で音源までの距離の測定
◎特定の範囲内の騒音の抽出
◎騒音源が特定の範囲に存在するか(観測点からの特定の範囲の角度内、また、距離が特定の範囲内)
を高い精度で求めることができる。
航空機騒音、高速道路、鉄道等の交通騒音の測定・監視、工場騒音源、工事騒音源の特定・測定・監視