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HDGP法を応用した簡易的遺伝子診断法(11777)
統一した手法で全ての病原微生物を検出できる診断手法(HDGP法)を提供する。
これまで病原微生物の検出・同定は、診断対象となる生物が、どのような病原微生物に感染しているのかを推定し、検出する手法で行われてきた。そのため最初の予想を誤れば、実際に感染している病原微生物を特定できず、診断を繰り返す必要があった。
提案するHDGP(Hyper detection of infectious disease based on Genome Profiling)はランダムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応法)とTGGE(温度勾配ゲル電気泳動)の二つの技術により構成されている。 ランダムPCRはゲノム構成に従って増幅される断片が変わるため、健全な生物と羅病した生物とでは異なる増幅産物を形成する。この差異はTGGEによって、より鮮明に認識することが可能である。HDGP法により病原体の種類によってパターンが異なり、どのような病原であっても問題なく検出可能となる。また、遺伝情報不明のサンプルであっても解析可能であるため、未知病原や外来種であっても問題なく検出できる。
●感染症診断●微生物利用生産物の品質管理
●動植物の品種管理
●違法交配種の追跡調査●外来生物・交雑種の同定
日本と世界の伝統食品に見る抗酸化性・機能性成分(研究紹介)
食品に含まれる種々の成分の機能性、健康増進効果は、近年の西欧型食習慣の世界的広がりと生活習慣病の増加に伴い重視されている。我々は各地の伝統食品に含まれる機能性因子の探索と機能性評価を行っている。我々の研究室では、世界有数の長寿地域である沖縄の食、肉・乳製品が主食のモンゴル遊牧民、インド医学で利用されてきた有用植物などについて研究している。特に食品成分の抗酸化性や化学療法の標的酵素に対する阻害効果の評価を中心として、食品による健康増進、生活習慣病の予防を目指す。
食品や薬用植物の成分を抽出し、機器分析に供すると同時に、酵素法、培養動物細胞系などにおいて種々の機能性評価を行う。また、微生物的手法により機能性成分の特性改変を試みる。さらに、未利用資源の有効利用を目指し、新規機能性食品素材の創出を目指す。
種々の食品の機能性や特性を評価し、抗酸化性・嗜好性・水溶性・色調などの改変を試み、また新規生理活性を見いだした。さらに未利用部分の活用などを通じて食品応用への可能性を示した。こうした取り組みは、伝統的食品成分の有効性の解明や、新規食品素材の創出、既存食品素材の改良・有効利用などにつながると考える。
当研究室では、上記に示した以外に、大豆イソフラボン水酸化物およびその酵素変換化合物、未発酵カカオ豆抽出物のポリフェノール成分、カカオハスク(カカオ豆の殻)、カカオの代用品として用いられるキャロブ(イナゴ豆)の抗酸化性と加熱特性、高知県大豊町特産の微生物発酵茶「碁石茶」などについて研究を進めている。
カエルをモデルとした捕食者適応による表現型の可塑性に関する研究(研究紹介)
エゾサンショウオの捕食圧に対して膨満型に誘導されたオタマジャクシ個体と,捕食圧にさらされていない基本型の個体での顕著な形態的な差を示す体表で,遺伝子群の発現・抑制を見出すことにより,オタマジャクシが受ける被捕食ストレスによる表現型の可塑性を支配している遺伝子のスクリーニングを行う。
充分に膨満化させたオタマジャクシの実験群及びコントロール群の表皮より,RNAを抽出した。このRNAを用いてサブトラクションを行い,この遺伝子を用いてマイクロアレーを作成した。このマイクロアレーを用いて充分膨満化したオタマジャクシ頭皮における遺伝子発現を調べた。
次に,このアレーを用いて,膨満化に従って発現してくる遺伝子と膨満化に従って抑制される遺伝子(膨満化の鍵遺伝子)のスクリーニングを行った。コントロール,エゾサンショウウオ幼生を添加して飼育した群,サンショウウオと飼育後,サンショウウオを抜いて飼育した群を作成した。それぞれの群よりRNAを抽出し,マイクロアレー解析,クラスター解析,in situハイブリダイゼーションを行った。結果,
1)人間の病気とも関連する遺伝子(水泡性類天疱瘡抗原遺伝子)がオタマジャクシ表現型の可塑性にも関与することが判った。またサンショウウオ除去によってオタマジャクシの形態も元に戻り,この遺伝子の発現が低下したことが治療のヒントになる可能性がある。
2)表現型の可塑性を支配している鍵遺伝子の1つとして,哺乳類にも存在するuromodulin-like gene (Tamm-Horsfall protein)がオタマジャクシの表皮を包むように発現していることが判った。このことにより,この遺伝子の機能の一つである水を通さないことがオタマジャクシの膨満化に関与していることが判った。
調水機能膜としての新素材など,水泡性類天疱瘡の治療への応用
共培養で微生物力アップ!(研究紹介)
微生物の様々な能力は,それらが多様な環境に適応するために備わっている。そうした環境要因の一つに他の生物との相互作用があるが,通常実施される純粋培養ではそうした要因は反映されない。つまり他の生物との相互作用があって初めて発揮される能力は従来の培養法では見逃されている可能性がある。本研究では,特に微生物どうしの相互作用に基づいて発揮される能力を見いだし,それを技術開発へと橋渡しすることを目指している。
異なる微生物と共培養することによって,単独の培養では起こらないような増殖や発揮されない機能(たとえば抗生物質の 生産や酵素の生産)が誘発される現象を探索した。次に,その誘発の要因となっている化学因子を生化学的手法によって同定した。さらに,それらの化学因子に応答を示す微生物を改めて自然界に広く探索してその系統と機能を評価し,該当する共培養に もとづく誘発現象の普遍性と多様性を検証した。
・医薬や酵素などの有用生理活性物質探索に対する潜在的シーズの発掘
・微生物複合系によって進行するバイオマス分解や難分解性物質の分解除去等の効率化
・共生・感染に依存する微生物病害の発症メカニズムの解明と防除法の確立
食品中の主要抗酸化成分の特定化とその寄与率について(研究紹介)
食品成分による生体恒常性維持についての関連性を明示することは食品品質を差別化する上で極めて重要となる。食品中の抗酸化物質は活性酸素による生体内酸化を抑制し、これらに起因すると考えられているガン、動脈硬化、老化、糖尿病等のさまざまな生活習慣病を予防すると期待されている。そのため、天然・食品中より数多くの抗酸化物質が見出され、今なお効果的な抗酸化物質の検索がなされている。一方、有効な食品を供給するためには、またその安全性の面からも、品質評価は必要不可欠である。しかし、天然物の多くは複雑な混合物であることから、有効成分含量あるいは成分組成を指標とした規格化は困難を伴う。
そこで、本研究では、抗酸化活性測定法の一つであるDPPHラジカル消去活性を用いることにより、主要抗酸化成分の特定化や寄与率、また活性値より有効成分含量を測定できるのではないかと考え、検討を行った。
DPPHラジカルは安定なラジカルであるが、抗酸化物質と反応することにより、紫色(517 nm)から黄色へと変化する。この退色度合いを測定することにより、抗酸化物質の活性を見積もることが可能となる。この作用を使いDPPHポストカラムシステムを構築した。これにより主要活性成分の特定化やその寄与率の算出が容易に行える可能性が示唆された。
健康食品・機能性食品の品質評価および新規食品素材のスクリーニング
腸内環境を制御した動物モデルによる免疫系機能性食品の機能性解析(研究紹介)
生体で最大の免疫系組織である腸管には膨大な数と種類の腸内細菌が共生し、腸内環境の形成に大きな影響を与えている。例えば、この腸内細菌が宿主の消化吸収はもちろんのこと、免疫系に対しても大きな影響を及ぼしている。さらに、腸内に共生する細菌の菌体成分や細菌が産生する代謝産物が免疫系細胞に対して直接作用して、様々な免疫応答を修飾していることが明らかになりつつある。一方で、腸内環境を制御する腸内細菌叢は、食事や生活習慣、ストレスなどによっても変化することが知られており、腸内環境は宿主の生理機能と相互に影響し合っている。
我々は、腸内細菌環境を制御できる(無菌マウスを含む)ノトバイオートマウスをつくることによって、宿主の生理機能、特に免疫系に対する作用について検討を行ってきた。そこで、腸内環境を制御することが期待される機能性食品成分の生理的な機能性評価を行っている。それにより、宿主の免疫系を調節し、免疫機能性食品として生体調節に寄与する食品等の開発につなげることを目指している。
腸内共生菌が宿主の免疫系に対して大きな影響を与えていることは、特に、生きた腸内細菌をもたない無菌マウスを用いた研究において、直接的な腸内共生菌の作用を解析することができる。例えば、無菌マウス(GFマウス)の腸管関連リンパ組織の形成については、通常の腸内細菌叢を有する通常マウス(CVマウス)と比較して小腸パイエル板や盲腸リンパ節のサイズが小さく、細胞数も少ないことなどからも、腸内共生菌の影響が宿主の免疫系に大きな影響を与えていると考えられている。そこで,以下の免疫・アレルギー反応に関与する生体応答の検討を行うことで、腸内共生菌が腸内環境を介した免疫機能性に対してどのような分子機構で作用しているのかを解析した。
免疫関連リンパ組織における細胞フェノタイプや免疫応答の解析
食品アレルギーモデルでの制御作用の解析
食品成分による免疫調節作用とその応用(研究紹介)
腸管は、生命活動にとって重要なエネルギー源として摂取した食品成分を効率的に消化・吸収する組織であると同時に、人体で最大の免疫組織でもある。腸管粘膜には生体の7~8割以上のリンパ球が存在し、そこで生体にとって有用な食品成分や腸内共生細菌、または有害な病原細菌などを識別し、感染防御やアレルギー反応の制御などの免疫応答が行われている。本研究は、この腸管免疫系に注目した食品成分の免疫調節作用を効率的に評価し、抗感染・抗アレルギー食品の開発をめざした研究展開を試みている。
腸管免疫系では、腸管内に免疫グロブリンA(IgA)抗体が粘膜外分泌されることによって感染防御に重要な役割を果たしている。そこで、マウスを実験モデルにプロバイオティクス菌体成分・オリゴ糖・多糖体などを一定期間経口投与し、その後、腸管関連リンパ組織のパイエル板・腸間膜リンパ節細胞を採取して免疫グロブリンA(IgA)抗体やサイトカイン産生、および腸粘膜中に分泌された総IgA抗体などへの影響を検討した。さらに、マウスを拘束ストレスに負荷させることによって宿主の免疫応答を低下させたときに腸管免疫系応答に与える影響を、被検物質をマウスに経口投与させることによってその免疫調節作用を評価した。
結果は以下の通りとなった。
1)プロバイオティクス菌体成分(Bifidobacterium由来菌体成分、BIM)をマウスに7日間経口投与すると、腸管免疫系の誘導部位であるパイエル板細胞においてIgA産生の誘導が活性化した。
2)フラクトオリゴ糖(FOS)をマウスに4週間経口投与すると、腸内細菌叢が変化して腸粘膜中に分泌される総IgA量が亢進した。
3)拘束ストレスによって腸管免疫系の応答を低下させる実験モデルにおいて、プロバイオティクス菌体成(Bifidobacterium由来菌体成分、BIM)をマウスに経口投与すると、腸粘膜中に分泌される総IgA量の低下を抑制した。
4)摂取したプロバイオティクス・プレバイオティクスが腸管免疫系を介して宿主の免疫反応を調節し、感染症やアレルギー症状の予防へとその応用が期待される。
抗感染食品,抗アレルギー食品
エンバクを利用した脱プラ製品の開発(研究紹介)
近年SDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みが重要視されてきている。環境問題ではプラスチック問題が大きく取り上げられ,プラスチック製品の代替品の開発が進められている。
ムギ類の茎(ストロー)に注目し,様々な種類のムギ類を栽培し, ストローとして適した種類や品種を選抜した。結果,茎の太さ,本数,においなどから エンバク(燕麦(学名:Avena sativa),オーツ麦)が有力候補となった。
本製品は使用後回収し堆肥とすることが出来,堆肥化した製品をエンバク畑へ利用することで,エネルギーと物質の循環が行われる。
食品,ストロー代替品,生分解性プラスチック