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エンバクを利用した脱プラ製品の開発(研究紹介)

目的

近年SDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みが重要視されてきている。環境問題ではプラスチック問題が大きく取り上げられ,プラスチック製品の代替品の開発が進められている。

技術概要

ムギ類の茎(ストロー)に注目し,様々な種類のムギ類を栽培し, ストローとして適した種類や品種を選抜した。結果,茎の太さ,本数,においなどから エンバク(燕麦(学名:Avena sativa),オーツ麦)が有力候補となった。
本製品は使用後回収し堆肥とすることが出来,堆肥化した製品をエンバク畑へ利用することで,エネルギーと物質の循環が行われる。

用途

食品,ストロー代替品,生分解性プラスチック

免疫賦活剤を利用した魚類の生体防御能向上と疾病予防(研究紹介)

目的

魚類養殖の発展に伴い,魚病被害が深刻な問題となっている。被害額は年間290億円にも達するといわれており,養殖産業の発展を阻 害する主要因の一つといわれている。一方で,近年の「安全・安心」に対する消費者の関心の高まりから,抗生物質等の治療薬剤の使用 は以前に増して制限される傾向にあり,有効性の高い新たな疾病予防対策が求められている。そこで本研究グループでは,魚類の生体防御能(自然免疫)を向上させる免疫賦活剤を利用した,“病原体が侵入しても感染しづらい”, “感染しても発病しづらい”,“発病しても死亡しづらい”魚類疾病予防手法の開発を進めている。

技術概要

免疫賦活剤の超高濃度短期間投与の効能について解析を行っている。1kg餌料当り1000~5000mgの各種免疫賦活剤を加えて1~10日間給餌した後,血漿成分,組織 観察,腸内細菌叢,生体防御因子の発現・活性,白血球機能等を測定した。またストレス耐性に関する飼育実験や人為感染実験と組み合わせることにより,その効能や最適投与法について検証を進めている。
免疫賦活剤のメガドス短期間投与(7~10日間)によって,
1)魚体(成長,生理代謝)の健康状態に異常(魚毒性)は確認されなかった。
2)粘液の分泌活性,一部の生体防御因子の発現・活性,細菌の付着阻害活性の亢進が確認された。
3)ストレスに起因する生理代謝や生体防御能の変動が抑制された。
4)人為感染実験による生残性は,病原体の種類によって異なる。

用途

水産増養殖,魚類の疾病予防

成熟脂肪細胞を用いた新規の再生医療用ドナー細胞の開発(研究紹介)

目的

 現在、再生医療用のドナー細胞の開発を目的として、iPS細胞や組織性幹細胞の多能性について集中的に研究が進められている。iPS細胞の樹立および維持には、遺伝子導入および種々の生理活性物質などが必須である。
また、組織性幹細胞では細胞を大量に採取するための機器および技術が必要であり、いずれも莫大な費用と手間がかかる。さらに細胞移植による治療には、多能性をもつドナー細胞を大量に準備する必要があることを考えると、簡単かつ低コストで大量供給可能な新規のドナー細胞の開発が必要である。
 我々は、皮下脂肪組織から採取した成熟脂肪細胞を自発的に脱分化させることによって、種々の細胞に分化転換する新規の再生医療用ドナー細胞 “DFAT” を開発した。

技術概要

DFATの調整方法は下記の通り。
<原理>
皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理したのち、フィルトレーションし成熟脂肪細胞からなる単一画分を採取

成熟脂肪細胞を天井培養することによって
自発的な脱分化を誘導

多能性前駆細胞(DFAT)

種々の分化誘導培地を用いて分化転換を誘導

細胞移植

脂肪組織の体積の90%以上を占める成熟脂肪細胞は浮力をもつため、セルソータなど高額の機器を用いることなく、容易に単一画分として採取が可能で、成熟脂肪細胞を自発的に脱分化させることによって多能性細胞DFATを簡便かつ低コストで作製できる。DFATは成熟脂肪細胞に由来するので、他細胞の混入のない均一な細胞群として大量に調整できる。また、DFATは、間葉系幹細胞に類似した特性をもつ。

用途

間葉系細胞に分化するだけでなく、胚葉を超えて神経系細胞や乳腺上皮細胞など外胚葉系細胞にも分化する再生医療用の多能性前駆細胞

機能性成分を含む新規導入作物キノアの国内での栽培と利用拡大の可能性(研究紹介)

目的

 2013年は国連が国際キノア年と定め、我が国でも全国各地でキノア(Chenopodium quinoa Willd.)に関するイベントが行われてきた。ただ、キノアは国内での需要量は年々増加しているが、我が国では必ずしも広く認知されたものとは言えない。現在、国内で流通しているキノアは全てが南米からの輸入品であるが、キノアの持つ機能性から我が国で栽培された国産キノアを求める声もある。生物資源科学部の作物学研究室ではキノアの生理・生態に関する研究を十数年来行ってきた結果、この作物が我が国でも栽培可能であることを明らかにした。そこで、ここではキノアの特性を紹介し、この作物の持つ可能性と今後の課題について提言する。

技術概要

 キノアは南米アンデス原産のアカザ科に属する1年生の作物である。種子に炭水化物やタンパク質などを豊富に含むため、ペルーやボリビアでは数千年前から主要な穀物として利用されていた。種子表面にサポニンを多く含む。植物の姿はアカザに極めて似ており、大きくなると高さ1mを超える。実りの時期を迎えたキノアの穂は赤や緑、黄色など様々な色やかたちをしたものがある。
 キノア栽培の中心地は原産地に近い南米のアンデス地方である。ボリビアやペルーなどの国々で世界の生産量の約90%を占めている。しかし、当研究室での研究結果、キノアが我が国でも北海道から九州まで栽培することが可能になった。
 1980年代にアメリカ航空宇宙局(NASA)は宇宙開発が盛んになる21世紀に有望な食料の一つにキノアをあげた。これをきっかけに世界的にキノアの研究が活発になった。NASAがキノアに注目したのは、優れた栄養特性である。キノアはアミノ酸のバランスがよく、現代人の食生活では不足がちな食物繊維やミネラルを豊富に含んでいる。
 キノアは子実成分の特徴から食材として利用した時、次のような効果が期待されている。
 1.骨粗しょう症防止 (ミネラル)
 2.動脈硬化、高血圧、コレステロール低下 (サポニン)
 3 .アレルギー患者の代替食 (優れたアミノ酸組成)
 4.ダイエット、便秘改善、大腸がん予防 (粗繊維)

用途

機能性食品,加工食品

有用タンパク質の量産に役立つタグの開発〜洗剤,製剤,ワクチンまで〜(12283他)

目的

タンパク質発現向上並びに分解耐性の獲得を可能にするタグを提供する。

技術概要

約20個のアミノ酸配列であるスタビロンタグを付加することで,真核生物でのタンパク質発現の向上,及び,分解耐性獲得
を可能にする。(主にプロテアソーム,一部のプロテアーゼ)
また,スタビロンタグは大腸菌発現時の可溶化,封入体タンパク質の巻き戻しにも有効である。

用途

SATIC法に基づく簡易検査キットや検査装置等を開発し,医療,食品,環境衛生,農業など,幅広い分野での活用を目指す。

超音波照射を用いて光触媒活性の向上に成功(12062)

目的

高い光触媒活性を有する光触媒及びその新規な製造方法を提供する。

技術概要

酸化チタン(TiO2)は、紫外線吸収性、吸着性、触媒活性等の優れた特性を有するため、顔料、塗料、化粧料、紫外線遮蔽剤、触媒、触媒担体、各種エレクトロニクス材料等の種々の領域で利用されている。
酸化チタンは、光を吸収すると活性化し、強い酸化力を生じ、空気や水に存在する種々の有害化学物質を酸化分解し、無害化する光触媒機能を有する。
酸化チタンの強い酸化力は、バンドギャップの大きさに起因する。酸化チタンは、バンドギャップが約3eVの光半導体であり、価電子帯が伝導帯に対して非常に深い位置に存在する。そのため、光照射により価電子帯から伝導帯に電子が遷移した際に、価電子帯に生成される正孔の酸化力は極めて強くなる。
このように酸化チタンの光触媒活性は結晶構造に大きな影響を受けると言われている。
アナターゼ型の酸化チタン及びブルッカイト型の酸化チタンは、ルチル型の酸化チタンより伝導帯の位置が0.2eVほど高い位置に存在し、高い光触媒活性を示すと言われている。
酸化チタンを作製する方法として、水熱合成法が知られているが、水熱合成法は高圧力、高温下で長時間の処理が必要である。また反応を促進させるために、種々の添加物を加える必要がある。これらの添加物は、最終的な光触媒活性に影響を及ぼすことがある。
鋭意検討した結果、溶液中にキャビテーションを発生させることで、瞬間的に水熱合成の環境に近い化学反応場を生み出し、二酸化チタンを簡便に合成できることを見出した。この方法で作製された光触媒は、非晶質であるにも関わらず高い光触媒活性を有する。
光触媒活性は価電子帯から伝導帯への電子遷移に伴い生じる酸化力に起因すると考えられており、非晶質の酸化チタンでは高い光触媒活性は得られないと考えられていたが、この結果は、従来の常識を覆す結果であり、光触媒の触媒活性を高めるための新しい方向性を開くものである。

用途

光触媒活性が高い二酸化チタンの簡便な合成方法

事象関連脱同期/同期を用いた反応抑制に関する脳活動評価(研究紹介)

目的

ヒトの運動や行動は中枢神経系(脳・脊髄)の働きによって制御されている。
脳機能研究は,医療,福祉,教育,経済等の分野に対する貢献が期待される。
脳波(EEG)は時間分解能が高く,さまざまな解析法が用いられる。
事象関連脱同期/同期(ERD/ERS)は,比較的容易に求めることができ,ブレインマシンインターフェイス(BMI)の信号源としても利用される。
ERD/ERSを指標とした反応抑制に関する脳活動評価のBMIなどへの応用をめざす。

技術概要

事象関連脱同期/同期(ERD/ERS)は,比較的容易に求めることができ,ブレインマシンインターフェイス(BMI)の信号源としても利用される。
ERD/ERSを指標とした反応抑制に関する脳活動評価のBMIなどへの応用をめざす。

用途

ERD/ERS もしくはEEGデータのBMI, BCIなどへの応用
BMI, BCIへの応用を見据えた,より簡易な脳活動計測,ならびに解析方法の開発
EEGを利用した抑制機能以外の脳機能評価
fMRI, TMSなどEEG以外の抑制に関する脳活動評価

キャパシティブセンサによる落下物体の速度測定(研究紹介)

目的

静電誘導法を測定原理とする,簡便であるがやや複雑な電場測定にも対応できる電場センサを製作し,誘電体の分極と外部電場強度の関係や,誘電体境界面での電束密度の連続性を計測する手法をこれまでの研究で確立している。本研究では,この電場センサを改良してキャパシティブセンサとし,物体(導体)の運動を簡易的に計測できる手法を確立することを目的としている。 

技術概要

・大気中を自由落下する物体の時々刻々の速度を,キャパシティブセンサを使って測定した。速度が時    間に比例して増大することを確かめた後,その時間変化から物体の加速度を求めた。空気抵抗の効果は 加速度の質量依存性から調べられた。
・運動方程式が示す通り,質量を大きくすれば空気抵抗が無視でき,重力加速度が求められることが分かった。
・実験で求めた重力加速度は,公表されている値と誤差0.2%で一致した。

用途

・物体の移動を検出するセンサや速度計測器の開発
・電磁気学の基本原理を用いた計測器の開発
・物理学実験等の授業で使用する実験装置の開発