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NPVモデルに基づくQTW-UAVの制御系設計(11947)
QTW-UAV(QuadTilt-Wing-UnmannedAerialVehicle)において,遷移飛行(主翼やローターの角度を変える)時の非線形性は翼のティルト角に強く依存する事に着目し,ティルト角を可変パラメータとしたNPV(NonlinearParameter-Varying)モデルを適用する事で非線形性を考慮した制御系を構築した。
本研究によれば,非線形運動を考慮した制御によってティルト翼機を制御する制御装置,航空機,及びプログラムを提供することができる。
間伐材を用いた木質耐力壁(11833)
小断面木材を使用した耐力壁の例として古くから寺社仏閣等で用いられる落とし込み板壁が挙げられる。しかし落とし込み板壁は特にダボを用いない場合,剛性・耐力が非常に低く,耐力壁としてほとんど期待できない。本研究は小断面木材を縦方向に配置し,折板状に構成することで高い初期剛性と靱性を得た,新たな耐力壁を提供する。
本研究の耐力壁は,縦方向に並べた小断面木材を折板状に配置し,スルーボルトへの緊結により一体化され形状形成される。スルーボルトを緊結することにより,部材間に張力を導入し,摩擦力を発生させ水平載荷時のせん断抵抗性能,初期剛性の向上が期待できる。従来の落とし込み板壁に比べて優れた壁倍率(従来の板壁:0.6倍,本研究:1.5~2.0倍)を有する性能を持つ。また,部材を折板状にすることで,部材を縦配置した落とし込み板壁において懸念される面外座屈の発生を抑制し,最大耐力後の高い変形性能と靱性を得ることが可能となった。さらに,スルーボルトにより導入したプレストレスの効果がスルーボルト位置周辺の局所的な範囲に限定されるため,壁面に開口を設けることが可能である。
ロバスト性の高い折り畳み式風車~RONDO~(11829)
本研究は、翼を空気力学的に回転し得ない状態に折り畳み、強風時の安全性を著しく高め、時間遅れのない耐風圧機能を備えた風力発電装置を提供する。
従来のプロペラ型のものは高速回転中に風が弱くなれば迎角が負になるためにブレーキがかかる。可変ピッチ機能を備えていても多くの場合応答特性が風の変動に間に合っていない。一方、垂直軸風車は起動特性が悪いために一旦停止すると発電状態になるまでに時間遅れが大きいという欠点がある。本研究は垂直軸風車の主回転翼の前に特殊なスラットを取付けることで起動特性を画期的に向上させたものである。更に突風時には風圧を避けるために複数の回転翼が同時に円周方向に傾く機能を備えている。従って外部からの強制的な制動を加えずに継続して発電することができ、風が弱くなれば自動的に復旧する。上記機能により広い範囲に変動する自然風の中で破損を防ぎ、安全に稼働できる。又、垂直軸風車の特性として揺れに強く重心が低いので設置場所は地上、洋上いずれにも可能である。
地上及び洋上に設置可能な稼働率の高い実用的な風力発電装置
球形ホイールを用いた多自由度回転制御システム(11619)
本システムは,多自由度回転制御をコンパクトな機構で実現し,宇宙機や航空機だけでなく,駆動部が必要な機械の部品として幅広い用途に応用することを目的としている。
従来のモータは1軸周りの回転運動を実現しており,多自由度回転運動を実現するためには複数のモータが必要となっていた。このため,システム構造の複雑化や重量化が問題となっていた。しかし,開発したシステムは,球形ホイールを圧電素子で任意の方向に回転させるシンプルな構造となっていることから,軽量化・小型化・省エネルギ化が可能となった。これにより,搭載重量に厳しい制約のある人工衛星などの姿勢制御への応用が期待される。また,機械的な拘束が無いので連続した回転運動ができるのも一つの特徴として挙げられ,調査用カメラなどの駆動部としても適用できる。さらに,システムに光学センサを組み込むことにより,球形ホイールの回転運動・回転方向の情報をフィードバックし,球形ホイールの任意方向の回転運動制御を実現している。
人工衛星,無人飛行機,カメラ
表面特性を制御したポリオレフィン系複合材料(11594)
従来法では修飾が困難であった部分の容易な修飾法の開発を目的とした。例えば、チューブ状エチレン-酢酸ビニル共重合体の内側に加熱した薬液を流すことで、チューブ内表面のみ親水化する方法が報告されているが、反応時間が長く、材料の機械的性質の劣化を引き起こす(特開2005-6777)。そこで、極性分子を短時間で加熱することができ、官能基の反応性が向上するなどの利点を有するマイクロ波加熱を応用した。
マイクロ波加熱を用いることで、極性溶媒を短時間で加熱することができ、高分子表面の官能基を反応をさせることが可能であり、通常の加熱法と比べ短時間で表面修飾することが可能である。また、この表面反応は溶媒(加熱媒体)と接触する部分のみで進行し、表面修飾の範囲の選択が可能である。高分子材料の表面修飾にマイクロ波加熱を応用した場合、触媒を溶解した極性溶媒に高分子材料を浸漬させマイクロ波を照射することで短時間での表面修飾が可能である。チューブ状やμチャンネルといった修飾や反応を起こしにくい部位でも、反応試薬を溶解した極性溶媒と接触させマイクロ波を照射することで、表面修飾が可能である。
高分子製チューブやマイクロ流路の表面修飾
MEAに吸収させたCO2の炭酸カルシウムとしての固定(11547)
脱原発により火力発電に電力が依存することにより二酸化炭素の排出量が多くなり、将来的には地球温暖化を促進することとなると考えられる。われわれは二酸化炭素を吸収しやすいモノエタノールアミン(MEA)を用いて、二酸化炭素を吸着させ、これとカルシウム塩を反応させることによる炭酸カルシウムの合成に成功した。
MEAが二酸化炭素を吸収することはよく知られている。吸収させる目的はCCS(二酸化炭素貯蔵)のためであるが、そのコストは高い。我々はこの二酸化炭素を溶解したMEA水溶液に水酸化カルシウムなどのカルシウム塩を添加することにより炭酸カルシウムを合成することに成功した。この方法の利点を述べる。MEAに吸収させた二酸化炭素は時間経過しても放出されることはない。このため、小規模のボイラーなどを持っている事業者にこのMEA溶液に二酸化炭素を含む排ガスを吹き込んでもらい二酸化炭素だけをMEAに吸収させ、これを一か所に集めカルシウム塩との反応により炭酸カルシウムを合成するとともにMEAを元の状態に戻すことができる。
炭酸カルシウム,二酸化炭素吸収剤
二酸化炭素を用いた下水汚泥焼却灰からのリン酸塩の回収プロセス(11445)
焼却汚泥中にはリン酸塩を多く含有しているため新たなリン資源として有望であるが、酸による抽出では目的成分だけでなく重金属も溶出してしまう。そこで、二酸化炭素を懸濁液中に吹き込むだけの簡便なプロセスで重金属を含まないリン酸塩水溶液を回収する。
一般的にリン酸塩は難溶性であり、水には溶解しない。このためリン酸塩含有物からリン酸塩を抽出するには、酸を用いて溶解させる必要がある。しかし、この方法では目的成分以外の成分も溶出する。一方、難溶性のリン酸塩懸濁液に二酸化炭素を吹き込むとリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの溶解度だけが増大することを発見した。これにより、リン酸塩含有物から主にリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムが溶解し、重金属を含まないリン酸塩水溶液が回収可能である。なお、この方法はリン酸カルシウムの可溶化にも有効である。
下水焼却汚泥、リン酸塩
水質浄化システム及び水質浄化方法(10799)
本装置は,構成が簡単で,数人で持ち運びが可能となるような携帯性に優れている攪拌装置であり,即効的に湖沼の水質浄化を行うことのできる水質浄化システム及びその方法を提供することを目的としている
従来は,湖沼の水質浄化を行うために,湖沼の水を汲み上げ,陸上にて大型の機械(浄化水槽)を用いて,凝集剤を投入し,攪拌していた。本研究による攪拌装置は,湖沼の現場に移動できるように携帯型としたものであり,かつ,浄化施設を用いないで現場での攪拌により湖沼の浮遊懸濁物質を凝固させ,即効的に水質浄化を可能とするシステムである。
携帯型水質浄化装置