の検索結果:315件
表面特性を制御したポリオレフィン系複合材料(11594)
従来法では修飾が困難であった部分の容易な修飾法の開発を目的とした。例えば、チューブ状エチレン-酢酸ビニル共重合体の内側に加熱した薬液を流すことで、チューブ内表面のみ親水化する方法が報告されているが、反応時間が長く、材料の機械的性質の劣化を引き起こす(特開2005-6777)。そこで、極性分子を短時間で加熱することができ、官能基の反応性が向上するなどの利点を有するマイクロ波加熱を応用した。
マイクロ波加熱を用いることで、極性溶媒を短時間で加熱することができ、高分子表面の官能基を反応をさせることが可能であり、通常の加熱法と比べ短時間で表面修飾することが可能である。また、この表面反応は溶媒(加熱媒体)と接触する部分のみで進行し、表面修飾の範囲の選択が可能である。高分子材料の表面修飾にマイクロ波加熱を応用した場合、触媒を溶解した極性溶媒に高分子材料を浸漬させマイクロ波を照射することで短時間での表面修飾が可能である。チューブ状やμチャンネルといった修飾や反応を起こしにくい部位でも、反応試薬を溶解した極性溶媒と接触させマイクロ波を照射することで、表面修飾が可能である。
高分子製チューブやマイクロ流路の表面修飾
MEAに吸収させたCO2の炭酸カルシウムとしての固定(11547)
脱原発により火力発電に電力が依存することにより二酸化炭素の排出量が多くなり、将来的には地球温暖化を促進することとなると考えられる。われわれは二酸化炭素を吸収しやすいモノエタノールアミン(MEA)を用いて、二酸化炭素を吸着させ、これとカルシウム塩を反応させることによる炭酸カルシウムの合成に成功した。
MEAが二酸化炭素を吸収することはよく知られている。吸収させる目的はCCS(二酸化炭素貯蔵)のためであるが、そのコストは高い。我々はこの二酸化炭素を溶解したMEA水溶液に水酸化カルシウムなどのカルシウム塩を添加することにより炭酸カルシウムを合成することに成功した。この方法の利点を述べる。MEAに吸収させた二酸化炭素は時間経過しても放出されることはない。このため、小規模のボイラーなどを持っている事業者にこのMEA溶液に二酸化炭素を含む排ガスを吹き込んでもらい二酸化炭素だけをMEAに吸収させ、これを一か所に集めカルシウム塩との反応により炭酸カルシウムを合成するとともにMEAを元の状態に戻すことができる。
炭酸カルシウム,二酸化炭素吸収剤
二酸化炭素を用いた下水汚泥焼却灰からのリン酸塩の回収プロセス(11445)
焼却汚泥中にはリン酸塩を多く含有しているため新たなリン資源として有望であるが、酸による抽出では目的成分だけでなく重金属も溶出してしまう。そこで、二酸化炭素を懸濁液中に吹き込むだけの簡便なプロセスで重金属を含まないリン酸塩水溶液を回収する。
一般的にリン酸塩は難溶性であり、水には溶解しない。このためリン酸塩含有物からリン酸塩を抽出するには、酸を用いて溶解させる必要がある。しかし、この方法では目的成分以外の成分も溶出する。一方、難溶性のリン酸塩懸濁液に二酸化炭素を吹き込むとリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの溶解度だけが増大することを発見した。これにより、リン酸塩含有物から主にリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムが溶解し、重金属を含まないリン酸塩水溶液が回収可能である。なお、この方法はリン酸カルシウムの可溶化にも有効である。
下水焼却汚泥、リン酸塩
水質浄化システム及び水質浄化方法(10799)
本装置は,構成が簡単で,数人で持ち運びが可能となるような携帯性に優れている攪拌装置であり,即効的に湖沼の水質浄化を行うことのできる水質浄化システム及びその方法を提供することを目的としている
従来は,湖沼の水質浄化を行うために,湖沼の水を汲み上げ,陸上にて大型の機械(浄化水槽)を用いて,凝集剤を投入し,攪拌していた。本研究による攪拌装置は,湖沼の現場に移動できるように携帯型としたものであり,かつ,浄化施設を用いないで現場での攪拌により湖沼の浮遊懸濁物質を凝固させ,即効的に水質浄化を可能とするシステムである。
携帯型水質浄化装置
カテコール-O-メチル転移酵素活性化物質(12184)
Catechol-O-methyltransferase(COMT)は、noradrenalineや2hydroxyestradiolなどのカテコール基質の水酸基をメチル化する酵素である。COMTの活性の低下が腎機能障害の進行や末期腎不全患者の心血管系死因に相関すること、COMTノックアウトマウスでは妊娠高血圧腎症や糖尿病などの症状が出ることが知られている。COMT活性をあげることがこれら疾病の治療に有用であると期待される。COMTによるメチル化反応ではS-adenosylmethionine(SAM)がメチルドナーとして働く。メチル基を失ったSAMはS-adenosylhomocystein(SAH)となるが,SAHはCOMTを強く阻害することが知られている。SAHによるCOMT阻害を解除する化合物を探索するため、内因性基質であるNEを基質とするinvitro試験管スクリーニングを実施し、当該化合物を見出した。COMTの賦活化という概念は研究者の独創によるものであり、他に報告はない。
●当該化合物はコントロール(DMSO)と比較してSAH初期濃度が0μMのときは1.43倍、SAH初期濃度が60μMのときは1.55倍COMTを活性化した。
●SAHの濃度が高いほどCOMTは阻害され、その活性は低下するが、当該化合物はSAHの濃度が高いほど活性低下を抑制した。・当該化合物は酵素反応速度論解析、等温熱滴定、平衡透析により、COMTとSAHの見かけの親和性を低下させることにより,酵素反応速度を40-50%高めていることを証明した。・当該化合物はSAH濃度の上昇による阻害が強まるのを「動的に」緩和することが期待できる。
●当該化合物の濃度依存的にCOMT活性は上昇し、100μMで、0μMにおける活性の約1.4倍(40%賦活化)となった。・当該化合物のCOMT賦活化率は化合物の濃度に比例して認められた。
●新規のCOMT賦活化剤、及び当該COMT賦活化剤を有効成分として含む医薬組成物が提供される。本研究の実施形態に係る医薬組成物は、COMT不全に関連する疾患(例えば、循環器系疾患、生活習慣病等)の予防又は治療に適用することができ、特に、腎機能障害、心血管系障害等に好適に用いることができる。
高密度導電性酸化物焼結体La1-x-yCaxSryCrO3(11079)
焼結特性・安定性に優れ,高温および各種ガス中で高い電気伝導を示す酸化物材料を提供する。
La1-xSrxCrO3やLa1-xCaxCrO3は高温・各種ガス下で高い電気伝導を示すため,固体酸化物型燃料電池のインターコネクターなどに使用が検討されていた。しかしながら本物質系においては難焼結のため高強度の材料を得ることが難しい,相転移の存在のため力学的な安定性に問題があるなどの欠点があった。本研究ではCaおよびSrの置換量および置換方法を検討し、高い電気伝導は保持しながら相転移を消失させ安定性を増大させることに成功した。さらに焼結前の粒子サイズの制御により,ほぼ100%に近い焼結密度・高強度を持つ物質の新規作製に成功した。
固体酸化物型燃料電池材料、ヒーター材料
早採りコンブやニジマス等地域素材を利用した新規食品開発(11971)
早採り昆布,間引き昆布を利用した,結着剤(リン酸塩)や発色剤等の添加剤不使用かつ低カロリーなソーセージ。
従来のソーセージの製造工程では,豚肉等に対して結着剤や豚脂を添加するのが不可欠であった。食物繊維や機能性成分を多く含む昆布を混ぜ入れたソーセージの試みがされているが,従来の一般的なソーセージに単に昆布を加えたものにすぎない。また,昆布のみで無添加ソーセージを製造する場合,特にきわめて粘性の高い早採り昆布は,単に肉と同時に混ぜるだけでは,十分に混ざるまでに時間がかかり,風味にも影響があるという問題があった。研究者らは特別な処理を施した早採り昆布と肉の混錬物を最適な条件で加工することで,獣臭が排除され,食感,風味豊かな無添加ソーセージを製造できることを見出した。本研究によると,食品添加物と脂肪が無添加であるにも関わらず食味の良くかつ,脂肪の含有量も少ない健康志向のソーセージの製造が可能になるとともに,未利用資源である早採り昆布,間引き昆布の有効活用にもつながる。
低カロリーソーセージ
トリアシルグリセロールの結晶構造転移(10404)
食用油脂を使用する際には最適な結晶構造にコントロールする必要が生じる。本研究は、高圧処理によって簡単にトリアシルグリセロールの結晶を不安定型から安定型へ短時間で転移させる方法を開発したものである。
従来、これらの油脂を使用する場合に一定温度中で撹拌を行うか、最適な油脂構造をもつ油脂と混合するか、その他の方法が用いられてきた。本研究の食用油脂の結晶構造転移方法は、食用油脂に、その主成分であるトリアシルグリセロールの融点近くで高圧を加えて転移させるものである。従来の方法と比較して短時間、低エネルギー消費で生産性の向上が認められる。
食用油脂、マーガリン、ショートニング、チョコレート